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奥中 康人 OKUNAKA Yasuto

准教授

文化政策学部 芸術文化学科
大学院 文化政策研究科

E-mailアドレス y-oku@suac.ac.jp

学歴

大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学

学位

博士(文学)

経歴

日本学術振興会特別研究員(東京大学大学院人文社会系研究科)(2000~2002)
関西大学非常勤講師(2002)
名古屋芸術大学非常勤講師(2003~2010)
大阪芸術大学非常勤講師(2005~2010)
京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター特別研究員(2006~2008)
大阪大学非常勤講師(2007、2010)
愛知県立芸術大学非常勤講師(2009)

担当授業分野

文化資源論、文化交流論、音楽史2など

研究分野

音楽学

研究テーマ

日本における西洋音楽の文化変容についての研究、明治期日本の音楽行政、音楽教育政策

研究業績

著書

・『国家と音楽 伊澤修二がめざした日本近代』(春秋社、2008)

・『近代日本の音楽文化とタカラヅカ』(共著、津金澤聰廣・近藤久美編、世界思想社、2006)

論文・解説

・「口伝の行進曲―維新期における山国隊の西洋ドラム奏法の受容とその継承―」(『東洋音楽研究』第70号、2005)

受賞歴

第30回サントリー学芸賞(芸術・文学部門) (著書『国家と音楽 伊澤修二がめざした近代』に対して)

所属学会・団体

日本音楽学会、東洋音楽学会

メッセージ

音楽を研究している者にとって、浜松は特別な街です。なぜなら、世界的に有名な楽器メーカーや、世界的なレベルのコレクションを誇る楽器博物館が存在するからです。
しかし、わたしにとっては、大学院時代のゼミの小旅行で――それは私の最初の浜松訪問だったのですが――、鍵盤ハーモニカを作る小さな工場(まさに町工場)の見学をしたことが強く印象に残っています。よく考えてみると、どんな大手の楽器メーカーにも下請け工場というものがあるわけで、そこでは少人数で小さな部品が製作され、そうした数多くの小さな部品を組み合わせることによってはじめて楽器は完成するという、ごく当たり前のことに気づかされました。
その頃、幕末から明治時代にかけての西洋音楽の流入に関心があったので、研究テーマとして、かつて存在したものの、現在ではほとんど消滅してしまった鼓笛隊やラッパについて調べようとしていたところ、同じ大学院に所属していた浜松出身の後輩から「浜松では今でもラッパを使ってますよ」と聞いて仰天しました。さっそく導かれるまま浜松を再訪したのは2003年のゴールデンウィークだったと記憶しています。
「西洋楽器というものはベートーヴェンやモーツァルトを演奏するための道具である」という私の固定観念を軽々と壊してくれたのは、中田島の凧揚げ会場や駅前の大通りで繰り広げられるパフォーマンスで、これまで音楽研究者が「西洋音楽の受容」として注目してきた日本におけるベートーヴェンやモーツァルトの享受やオーケストラやオペラの活動とは別の、いわば西洋楽器の土着化現象とでもいうべき実態に興味をもつようになったことは、私の研究にとって大きな転機でした。それ以来、毎年GWになると浜松にやってきて、ビデオカメラを片手にラッパの音を追いかけながら調査をしてきたのですが、そうした足元にあるような身近な音楽文化――あまりにも卑近すぎて「文化」とは思えない人もいるかもしれませんが――に対する再考、再評価が、実は地域社会の芸術文化を考えるうえでとても大切なことではないだろうかと思ったりしています。