静岡文化芸術大学/Shizuoka University of Art and Culture お問い合わせ 交通アクセス
トップページ > 教育(学部・大学院) > 教員紹介 >
ここから本文です

美濃部 京子 MINOBE Kyoko

教授

文化政策学部 国際文化学科

E-mailアドレス minobe@suac.ac.jp

出身地

京都市

学歴

奈良女子大学大学院人間文化研究科博士課程 比較文化学専攻 単位取得満期退学(1990)

学位

国際学修士(広島大学)

経歴

大谷大学特別研修員(1990)
静岡県立大学短期大学部 講師(1991)
静岡県立大学短期大学部 助教授(1999)

担当授業分野

英語コミュニケーション、国際文化入門4、イギリス文化論 など

研究分野

英国口承文芸、小泉八雲の再話と原話の伝承、現代の伝承

研究テーマ

英国の昔話とバラッド
アメリカに渡ったイギリスの伝承
世界の鬼の伝承
静岡県を中心とするわらべうた
世界の口承文芸の比較

研究業績

著書

・『昔話で親しむ環境倫理 エコロジーの心を育む読み聞かせ』(共著、くろしお出版、2009)

・『次世代をはぐくむために 昔話研究を幼児教育に活かす』(共著、国立民族学博物館、2008)

・『シリーズことばの世界』(共著、三弥井書店、2007)

・『「大きなかぶ」はなぜ抜けた?謎とき世界の民話』(共著、講談社、2006)

・『中日本民俗論』(共著、岩田書店、2006)

・『世界の龍の話』(共著、三弥井書店、1998)

論文・解説

・「アメリカに渡ったジャック話」(『説話・伝承学』第17号、2009)

・「静岡県を中心としたわらベうたの伝承 静岡女子短期大学卒業生の調査から」(『日本・東アジア文化研究』第3号、2004)

・「「鬼」を表す英語をめぐって」(『日本・東アジア文化研究』第2号、2003)

・「大学における新しい英語教育の研究」(『静岡文化芸術大学紀要』Vol.3、2002)

・「イギリスにおける「絞首台からきた男」(AT366)の諸相」(『静岡文化芸術大学研究紀要』Vol.2、2001)

・「マザーグースと遊び唄 マザーグースの「生きた伝承」を求めて」(『マザーグース研究』第5号、2002)

・「マザーグースとバラッド」(『マザーグース研究』第4号、2000)

・「マザーグースと昔話」(『マザーグース研究』第4号、2000)

・「「テレタビーズ」の魅力と昔話 子供にとっての面白さ」(『静岡県立大学短期大学部研究紀要』第13-3号、2000)

・「Revenant Balladと昔話」(『静岡県立大学短期大学部研究紀要』第12-3号、1999)

・「学生に聞いた伝承 俗信・都市伝説・わらべうた」(『静岡県民俗学会誌』第19号、1998)

・「スコットランドのトラベラーの昔話」(『静岡県立大学短期大学部研究紀要』第9号、1996)

・「女性昔話をめぐって」(『静岡県立大学短期大学部研究紀要』第6号、1993)

・「チャイルド・バラッドの変身譚」(『英詩評論』特集上杉文世教授中国文化賞受賞記念号)

・「学生に聞いた都市伝説」(『静岡県立大学短期大学部研究紀要』第5号、1992)

・「チャイルド・バラッドと昔話」(『英語学英米文学論集』第17号、奈良女子大学、1991)

・「魂の遊離と他界訪問 ハーン「安芸之介の夢」をめぐって」(『英文学会会報』第18号、大谷大学、1991)

・「ハーンの「持田の子殺し」の背景 日本の昔話と英国のバラッド」(『英語学英米文学論集』第16号、奈良女子大学、1990)

・「バラッドと昔話の語り口 その口承文芸としての特徴」(『英語学英米文学論集』第15号、奈良女子大学、1998)

所属学会・団体

日本昔話学会、説話・伝承学会、日本口承文藝学会、日本イギリス児童文学会、八雲会 など

メッセージ

私の研究について

 「イギリスの昔話を勉強したい」というところから始まった私の研究ですが、それがいつの間にかマザーグースやバラッド、スコットランドのトラベラーの伝承、アメリカのイギリス系住民の伝承、日本のわらベうた、都市伝説へとだんだん広がってきました。イギリスの中でもイングランド地方は本格的な魔法昔話の伝承が乏しいとよく言われます。周辺のスコットランドやアイルランドなどではケルト系の人たちの伝承を中心に豊かな伝承が見られるのに、イングランドでは笑話や伝説はそこそこあっても、昔話については周辺の国と比べて見劣りがします。けれども、バラッドの形で伝承されている面白い話があったり、そうしたバラッドが昔話や伝承童謡であるマザーグースと関連が見られることがわかってきました。またスコットランドでもゲール語圏ではなく英語圏にトラベラーと呼ばれる今でも生きた昔話の伝承を守っている人たちがいたり、アメリカに渡ったイギリス系住民の中では「ジャック話」と呼ばれる豊かな伝承があったことも知りました。それは、記録には残っていないけれど、かつてイングランドにも昔話の豊かな伝承があったことを証明するものではないでしょうか。
 日本ではバラッド研究者はバラッドだけ、マザーグースはマザーグースだけ、昔話は昔話だけというように、それぞれの専門で分かれてしまって、それらが関連付けられて扱われることが少ないように思います。実際の伝承の中では昔話の語り手がバラッドも歌うことがありますし、そのほかのフォークソングや子どもの歌も同じように伝承しています。そうしたジャンルの壁を取り払わないと本当の伝承の姿は見えてこないのではないでしょうか。私はそのような立場からジャンルにこだわらずに広い意味での口承文芸を探っていきたいと考えています。
 また日本においては伝承の昔話の語り手はどんどん少なくなっていますが、学生の話を聞いていると、噂や都市伝説と呼ばれる話や、わらベうた、迷信などはまだまだ生きた伝承として残っていることが実感できます。伝承の形態は変わっても、言葉による伝承自体がなくなることはないということから、現代における伝承の実態にも目を向けていくつもりです。