教員紹介

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高木 邦子TAKAGI Kuniko

教授

  • 文化政策学部 国際文化学科
キーワード:
青年期の対人関係、有能感、キャリア教育
学歴 名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程(後期課程)単位取得後退学(2005年)
学位 博士(教育心理学)(名古屋大学、2005年)
経歴 聖隷クリストファー大学助教(2007年)
聖隷クリストファー大学准教授(2010年)
静岡文化芸術大学准教授(2011年)、教授(2020年から)
担当授業分野 教育心理学、人間発達と環境、青年心理学など
研究分野 教育心理学、パーソナリティ心理学
研究テーマ 青年期に特徴的な「仮想的有能感」の機能と形成
否定的対人感情の形成および修正過程
専門職養成課程の職業的社会化
研究業績 著書
  1. 『コンピテンス―個人の発達とよりよい社会形成のために』速水敏彦(監修)、陳恵貞ほか(編)(ナカニシヤ出版、2012年3月24日、共著「苦手な人とかかわる」(pp119-128))
  2. 『仮想的有能感の心理学』速水敏彦(編)(北大路書房、2012年2月10日、共著「感情経験」(pp42-51)、「他者認知」(pp62-70)、「親との関係」(pp101-111))
  3. 『国際文化学への第一歩』静岡文化芸術大学文化政策学部国際文化学科(編)(すずさわ書店、2013年3月25日、共著「文化と心理学」(pp306-315))
論文・解説
  1. 対人的動機と社会的相互作用経験が否定的対人感情の修正に及ぼす影響(『名古屋大学教育発達科学研究科紀要』第47巻、205-213、2001年12月)
  2. 否定的対人感情の修正に影響する動機・経験要因と個人特性の検討(『名古屋大学教育発達科学研究科紀要』第50巻、49-59、2003年12月)
  3. 不快情動経験と責任帰属が否定的対人感情の形成に及ぼす影響(『実験社会心理学研究』43、22-35、2003年12月)
  4. 対人的動機と相互作用量が否定的対人感情の軽減に及ぼす影響(『社会心理学研究』20、124-133、2004年11月)
  5. 仮想的有能感の構成概念妥当性の検討(『名古屋大学教育発達科学研究科紀要』第51巻、1-8、2004年12月)
  6. 否定的対人感情研究の諸相(『名古屋大学教育発達科学研究科紀要』第51巻、63-76、2004年12月)
  7. 否定的対人感情の形成・変容過程と影響要因(名古屋大学教育発達科学研究科博士学位論文、2005年9月)
  8. 他者軽視に基づく仮想的有能感 ――自尊感情との比較から――(『感情心理学研究』12、43-55、2005年9月)
  9. Assumed-Competence base d on Undervaluing Others as a Determinant of Emotions: Focusing on Anger and Sadness:Asia Pacific Education Review, 5, 127-135. 2005年12月
  10. 高校生の問題行動の規定因の検討 -有能感,教師・親・友人関係との関係に着目して-(『名古屋大学教育発達科学研究科紀要』第53巻、107-120、2006年12月)
  11. Effects of age and competence type on the emotions: Focusing on sadness and anger:apanese Psychological Research, 49(3), 211-221. 2007年10月
  12. 専門職養成課程の職業的社会化における現場実習経験の効果1 ―社会福祉援助技術現場実習の影響の探索的検討―(『聖隷クリストファー大学 社会福祉学部紀要』6、127-144、2008年3月)
  13. 社会福祉学部における実習期待の規定因 ―職業意識および福祉現場経験との関係について―(『聖隷クリストファー大学 社会福祉学部紀要』7、89-104、2009年3月)
  14. 初年次専門導入教育として開講したIP科目の現状報告(総会報告)(『保健医療福祉連携』Vol.1-No.1、p59、2009年3月)
  15. 専門職養成課程の職業的社会化における現場実習経験の効果2 自尊感情と他者軽視傾向に注目して(『聖隷クリストファー大学 社会福祉学部紀要』8、95-108、2010年3月)
  16. 福祉職におけるリアリティ・ショックに関する研究(科学研究費補助金研究成果報告書(課題番号20730383)、2010年6月)
  17. 現代の学生気質とその対応(『作業療法ジャーナル』45巻4号、320-325、三輪書店、2011年4月)
  18. 「実践演習」の効果の検討に向けて:履修学生のキャリア構築スキルの特徴(『静岡文化芸術大学紀要』第16巻、pp.93-100、2016年3月)
  19. 「実践演習」の効果の検討(1):実践演習履修と学生の機会活用スキルの変化(『静岡文化芸術大学紀要』第17巻、pp.151-160、2017年3月)
  20. 「実践演習」の効果の検討(2):大学生の成長の自覚と「地域連携実践演習」の履修(『静岡文化芸術大学紀要』第18巻、2018年3月)
所属学会・団体 日本心理学会、日本教育心理学会、日本社会心理学会、日本パーソナリティ心理学会

メッセージ

現在の関心は主に、以下3つです。

青年期の対人関係における否定的対人感情について

他者に対して感じる苦手意識や嫌悪といったネガティブな感情に焦点をあて、その形成過程や影響要因について研究しています。近年は、大学生が否定的対人感情を形成した他者とどのようにつきあっているのか、その関係性の持ち方に関心があります。

有能感の様相と形成要因、さまざまな影響について

“自分は能力のある人間だという自覚”である有能感は、私達の行動に広く影響することが知られています。有能感の形成には、成功経験や、他者に受容/承認される経験などが影響することが知られています。その一方で、自分の能力に自信がなく周囲の人を見下すことで自分の有能さを意識する「仮想的有能感」と呼ばれる状態があることも指摘されています。こうした有能感のさまざまな様相の形成と働きについて、広く関心を持っています。

職業的社会化について

「キャリア教育」の目的とは、早期に希望進路を決めることではなく、社会人として生きていくために必要なさまざまな能力(ex.コミュニケーション力、課題発見・解決能力、柔軟性など)を身につけることにあります。職業に就いた人が、これらの能力を発揮して職業に適応していく過程を整理したいと考えています。かつては専門職に注目していましたが、現在は職業を限定せず、また転職などの決断も含めたさまざまなキャリアパスの流れにも関心を持っています。