鳥居 厚夫 TORII Atsuo
出身地静岡県 学歴東京芸術大学大学院美術研究科修士課程鍛金専攻修了(1976) 学位芸術学修士 経歴高木産業(株) 嘱託デザイナー(1978) 担当授業分野立体基礎造形演習、生産素材加工演習 研究分野金属造形 研究テーマ金属造形を通して環境道具/都市空間における美術的造形物のあり方の研究 研究業績作品・プロジェクト・新幹線新富士駅南口モニュメント ・富士市青葉通り市民憲章碑 ・沼津市八幡原線オブジェ ・道の駅「富士川楽座」モニュメント ・駿府城趾「弥次喜多像」デザイン ・富士市立昭和幼稚園「なかよし像」 ・甲府市立甲府商業高校商友館壁面装飾「平和と友愛」 受賞歴静岡県美術展造形部門大賞(1982) 社会的活動Under Construction Club という地域密着型美術団体を通して現代美術の一般化に努める メッセージ 今現在設置されている公共屋外空間における美術的造形物(屋外彫刻、オブジェ、モニュメント等、以後まとめて屋外造形物という)は、殆どの場合何らかの形で設置主体の歴史的あるいは地理的な文脈の中で取捨選択された結果として存在している。
即ちそれは、選択の基準が(1)制作物のテーマが設置主体に由来している(2)制作者が既に社会的に認知されている地元出身者(3)その作者が世界的あるいは全日本的権威を持ち、作品の設置が街の価値を大きく上げると思われる(4)街の文化度を上げる目的でコンペ等を通して屋外を美術館的機能として使う(主催者からテーマ設定が行われる場合は(1)に近いが、制作者が無名であったりするため、ある権威での判定が行われる)、などが考えられる。
実際に設置されているものを見ると、(1)と(2)(3)(4)を組み合わせた場合もかなりの例があるが、テーマは制作者本人に委ねられる場合も少なくない。 もちろんその差異は大きくあるが一般的には、作家個人の自己表現の結果としての造形的な完成度は高いものが非常に多い。 ただし、これらの設置理由を、近視眼的に上記4つに求めてしまった結果、大きな視点からの考え方が見失われてしまったのではないかと考えている。 では見失われている視点は何か。一つは、歴史に正面から向き合い、その中で考察した教訓を次世代に向けて記録していこうとする国民的態度を表現したものであり、もう一つは子供からの視点で制作されたものである。前者については、国民性もあり状況が変わる事は到底想像出来ないし、今ここで、屋外造形物の在り方を問う切り口とするにはあまりにもテーマが大きすぎる。 しかし後半の子供の視点という意味では、もう一歩進めて、子供も大人も誰もが楽しいあるいはユーモアがあり、ただそれのみを目的とした屋外造形物というものは十分考えられるのではないか。 明確にユーモアを意図して造形されたものは、ドイツで幾つか出合っている。 その一つが、ポツダム広場にあった巨大なシーソーである。 全長20メートル程のステンレス製の巨大なシーソーが舗道上に5台ほどが並んで設置されていた。 ここでは老若男女、観光客まで巻き込んで皆がその巨大さに思わず笑いながら遊んでいた。 本来、日本人はユーモアを理解し楽しむ国民性であるはずなのに、屋外造形物となると急に真面目に芸術的であろうとする。 従来の方向考え方を全て否定するものではないが、また単純にドイツ的であれば良いというつもりもないが、公共空間はもう少しユーモアを表現しても良いのではないか。 その事を造形の立場から考察している。 |