ドイツの音楽雑誌「Concerto:Magazin fuer Alte Musik(コンチェルト:古楽のための雑誌)」の2009年2・3月号で、本学が2006年および2008年に主催した「静岡文化芸術大学の室内楽演奏会」のライブ録音が紹介されました。
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ロマン派時代のピアノ協奏曲の「室内楽版」の演奏が高く評価されています。なお、紹介されたCDのうち、1枚目に収録されているショパン≪ピアノ協奏曲第1番≫「室内楽版」は、11月20日に浜松国際ピアノコンクールの関連イベントの中で再演されます。ヨーロッパでも関心を呼んだ演奏を、ぜひライブでお聴きください!
浜松国際ピアノコンクール関連イベント
http://www.hipic.jp/event/eve_11.php(外部サイトに接続します)
(以下、雑誌批評の引用です)
極東からのロマン主義
日本の本州の南東岸に位置する浜松は「音楽のまち」である。その理由はまず、ヤマハとカワイがピアノを生産しているからだが、浜松には音楽大学と楽器博物館もあり、博物館には多数の歴史的ピアノが所蔵されている。楽器博物館が静岡文化芸術大学と共催したコンサートで、博物館の歴史的ピアノはいわば主役の座を占めた。ここに紹介するCDは、ショパン(と1830年のプレイエル・ピアノ)と、シューマン夫妻(とコンラート・グラーフ作とされた1820年頃のピアノ)に焦点が当てられ、室内楽とピアノ協奏曲が演目に上がった演奏会のライブ録音である。
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ショパンの協奏曲(ホ短調、作品11)とクラーラ・ヴィークの協奏曲(イ短調、作品7)は室内楽版で演奏されている。この場合、室内楽版とは、管打楽器なしで、ソロ編成(1パート1人)の弦楽器のみが使われるものである。かの時代の出版譜にはこのような方法が明示されており、楽譜に印刷された小さな音符が活用されていた(それによって、たとえば管楽器の重要なフレーズが弦楽器パートにとりこまれる)。演奏史の観点からはたいへん興味深いが、ショパンなどの協奏曲の正式なヴァージョンを耳で覚えている現代の聴衆には、この「節約版」は若干不満が残る可能性があった。
そこでピアニストの小倉貴久子を中心とする日本の奏者たちは、かの音楽がスリリングな体験になるようなあらゆる手段を尽くしている。2つの協奏曲は情熱豊かに、そして各々にふさわしい技巧とともに演奏される。さらに時折、舞台に数人しかいないことを忘れさせるような豊かなアンサンブルの響きが聴き取られる。奏者たちは、室内楽の名曲、シューマンのピアノ五重奏曲において、例えばその第2楽章(行進曲の流儀で)において絶望の深き淵をそろりと垣間見させる。音程は常に完璧ではなく、しばしば微修正が必要だが、それは演奏会のライヴという事情によるのであって、全体の印象を損ねることは全くない。地球の反対側にいるこの音楽家たちには、オリジナル楽器によるロマン主義について語るべきことがあるようだ。
Andreas Friesenhagen
Concerto:Das Magazin fur Alte Musik,224(2009年2・3月号)
訳:小岩信治(芸術文化学科 准教授)
※訳注
『コンチェルト Concerto』は1983年に創刊されたドイツの雑誌。古楽演奏や過去の演奏慣習に関するドイツ語圏の主要専門誌として、国際的な地位を確立している。なお、河合楽器製作所のピアノは現在では磐田市で生産されている。また、ヤマハのピアノ工場も2011年に掛川市に移転する。静岡文化芸術大学には音楽実技専攻の学科はないが、音楽を含む芸術・文化をマネジメントするための人材を養成する芸術文化学科がある。
該当ページなどの転載にあたってConcerto編集部の許可をいただきました。感謝申し上げます。
Wir bedanken uns bei der "Concerto"- Redaktion fuer die freundliche Genehmigung zur Abbildung.