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教員紹介


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井上 由里子

INOUE Yuriko
 

講師

文化政策学部 芸術文化学科

キーワード:
舞台芸術論、芸術思想史、フランス文学、ノヴァリナ、アール・ブリュット
 
出身地 滋賀県
学歴 ルーヴァン・カトリック大学演劇研究センター舞台芸術学専攻 Licence(現在のMaster)修了(2006年)
大阪大学大学院文学研究科美学専攻 博士後期課程修了(2014年)
学位 博士(文学)
経歴
  • パリ第7大学東アジア言語文化学部日本語学科助手(2008年から2009年)
  • エス・モード大阪校非常勤講師(2010年から2012年)
  • 京都精華大学非常勤講師(2010年から2016年)
  • 大阪大学大学院文学研究科美学研究室助教代理(2011年)
  • 立命館大学非常勤講師(2011年から2016年)
  • 静岡文化芸術大学講師(2017年から)
担当授業分野 文化と芸術A、芸術特論B、演劇研究特講(大学院)など
研究分野 演劇学、西洋演劇史
研究テーマ 近現代演劇のドラマトゥルギー、演劇美学、アール・ブリュットと演劇の交叉
研究業績
論文
  • 「演劇とアール・ブリュット――ヴァレール・ノヴァリナの俳優論を中心に」(『a+a 美学研究』第12号、2018年)
  • 「ヴァレール・ノヴァリナの言語の変遷――『飛んデモ工房』(1972年)から『名の生贄』(2015年)まで」(平成29年度科学研究費補助金 基盤研究(C)「美学と弁論術交叉――コモン・センスを中心に」研究年報、代表者:渡辺浩司、2018年)
  • 「ヴァレール・ノヴァリナの転換期における演出家クロード・ビュシュヴァルトの役割――『時に住むあなた』、『食事』、『架空のオペレッタ』演出をめぐって」(『演劇学論集』第61号、2016年)
  • 「ヴァレール・ノヴァリナの詩学――『時間の動物』をめぐって」(『フィロカリア』第28号、2011年)
  • 「ヴァレール・ノヴァリナ『セーヌ』における供儀と祝祭」(『美学』第237号、2010年)
  • « Valère Novarina, un démiurge du langage »(共著, Neologica, No 5, Classiques Garnier, 2011)
  • « La variation des personnages dans "L'Espace furieux" de Valère Novarina――décomposé, impersonnel, transpersonnel »(Les études françaises au Japon, Presse Universitaire de Louvain, 2010)
  • « Terminological History of Industrial Design in French―― ‘Dessin industriel’, ‘Esthétique industrielle’, ‘Design’ »(Words for Design II、平成20年度科学研究費補助金 基盤研究(B)「比較デザイン論研究」研究年報、代表者:藤田治彦、2009年)
  • « L’ architecture scénique dans "La résistible ascension d’Arturo Ui" de Brecht »(『美学研究』第3号、2004年)など

劇評
  • 「大竹野正典劇集成を囲んで――くじら企画『夜、ナク、鳥』」(『大阪日日新聞』、2014年9月9日)
  • 「フランス前衛演劇と能――ヴァレール・ノヴァリナ特別講演」(『大阪日日新聞』、2014年8月5日)
  • 「チェーホフの世界に戯れる 喜劇『かもめ』――地点第19回公演『かもめ』」(京都芸術センター通信『明倫art』vol.139、2011年11月)
  • 「水の夢/紅の現実――唐組第45回公演『百人町』」(京都芸術センター通信『明倫art』vol.121、2010年5月)
  • 「ベケット実験上演『なおのうごめき』(演出:松田正隆)――器械からの「声」が生ともす」(『大阪日日新聞』、2009年6月23日)
  • 「『真夜中の弥次さん喜多さん』(原作:しりあがり寿、演出:天野天街)――私たちの中にいるヤジキタ」(『大阪日日新聞』、2005年4月2日)など

翻訳・訳書
  • パトリス・パヴィス「昨今の日本の演出数例にみるグローバリゼーション」(『演劇学論集』第63号、2016年)
  • 『シャルロット・ペリアンと日本』(共訳、鹿島出版会、2011年)

その他の活動
  • ヴァレール・ノヴァリナ特別講演会「現代フランス演劇と能」開催(大阪大学、2014年)
所属学会・団体 日本演劇学会、美学会、日本フランス語・フランス文学会、International Federation for Theatre Research

 

メッセージ

演劇と聞いて、最初に浮かぶのはどんなものでしょう? 高校演劇、劇団四季、能、シェイクスピア……。日本には女性だけで演じる宝塚、男性だけの歌舞伎もあります。これほど多彩な演劇が見られるのは、クリスマスもお正月も受けいれるお国柄ゆえでしょうか。ちなみに私が研究しているのは、ピカソの絵を言葉にしたような現代フランスの前衛演劇です。

授業では、古代ギリシアの演劇から日本の現代演劇まで幅広い作品をとりあげ、戯曲と上演の分析手法を学びます。ただ、鑑賞眼を磨くには、それだけでは足りません。劇場に足を運び、自分の目で、たくさんの作品を見ることがなにより大切です。その点、静岡県は恵まれています。海外でも喝采を浴びる静岡県舞台芸術センター(SPAC)があり、しかもSPACと本学SUACはほぼ同時期にできた県立施設という近しい間柄。上質の作品に触れることはもちろん、劇評を書いたり、学生主体でイベントの企画・運営を行ったり、実践を通して学びを深めることができます。

近年の日本では、劇場の外に出て、演劇の手法を社会のさまざまな問題に応用する実践も盛んです。ここ浜松にも、みなれた街を劇場に変える「路上演劇祭」や常識をひっくり返す音楽パフォーマンスの祭典「スタ☆タン」で、外国の人や障がいのある人をはじめとする多様な人々と出会う場が開かれています。こうしたパフォーマンスはいわゆる「芸術」とはみなされません。でも、ありきたりな型にはまらないからこそ、日常から抜け出し、人と人とのあいだに新しい関係性を築く演劇本来の力が息づいているように思えます。

演劇を通して世界を広げ、目にみえない垣根をなくせたら、そう願うことは贅沢な望みでしょうか。