教員紹介

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下澤 嶽SHIMOSAWA Takashi

教授 多文化・多言語教育研究センター長

  • 文化政策学部 国際文化学科
  • 大学院 文化政策研究科

キーワード:
国際協力、NGO、市民社会、ボランタリズム、平和構築

出身地 愛知県
学歴 一橋大学大学院社会学部地球社会専攻博士課程単位取得退学(2010年)
学位 修士(社会学)(一橋大学、2005年)
経歴
  • シャプラニール=市民による海外協力の会事務局長(1988年から2002年)
  • 国際協力NGOセンター事務局長(2006年から2010年)
  • 静岡文化芸術大学准教授(2010年)、教授(2012年から)
担当授業分野 NPO・NGO論、国際協力論
研究分野 国際協力、NGO、市民社会、ボランタリズム、平和構築
研究テーマ 現代社会とボランタリズム、NGOと国家の関係、日本型市民社会
研究業績 著書
  • 『開発NGOとパートナーシップ 南の自立と北の役割』(単著、コモンズ、2007年8月)
論文・解説
  • 「先住民族の権利に関する国際連合宣言とバングラデシュ政府の『先住民族はいない』言説」(『愛知大学国際問題研究所紀要』第160号、2022年)
  • 「東パキスタン、カプタイダム建設と開発難民の60年」(『愛知大学国際問題研究所紀要』第159号、2022年2月)
  • 「エスニック・マイノリティと民族自治制度-バングラデシュのチッタゴン丘陵とインドのミゾラム州の民族自治制度を例として-」(『愛知大学国際問題研究所紀要』第158号、2021年10月)
  • 「エシカルな地産地消についての考察~農業生産物を事例に~」(『静岡文化芸術大学研究紀要』第18巻、2018年3月)
  • 「日本赤十字社、共同募金にみる日本的募金の展開」(『静岡文化芸術大学研究紀要』第16巻、2016年3月)
  • 「和平協定の脆弱性と向き合う」(国際ボランティア学会『ボランティア学研究』Vol.16、2016年2月)
  • “The Progress of the Chittagong Hill Tracts Peace Accord Implementation and Structural analysis of Delaying the Implementation” (国際ベンガル学会発表、2015年12月)
  • 「「社会課題のソリューション」という商品-浜松市の事例を中心に-」(『消費者教育研究』163号、2014年4月)
受賞歴 愛知大学同窓会奨励賞(2008年)
静岡文化芸術大学学長賞(2018年)
アーユスNGO大賞(2021年)
所属学会・団体 日本平和学会、日本NPO学会、国際ボランティア学会
社会的活動 平和構築NGO ジュマ・ネット共同代表
佐鳴湖地域協議会 会長
シャプラニール=市民による海外協力の会理事 等

メッセージ

私は、これまで日本のNGO(Non-Governmental Organization)で25年以上、開発途上国の支援活動の仕事をしてきました。その仕事を通して、市民は国家だけに依存して判断し、活動をしているのではないことを痛感することが多くありました。また国家以外の空間でつながる市民のネットワークや活動のエネルギーが社会を変えることも、目にすることが増えています。例えば国連で1997年に成立した対人地雷全面廃止条約などはそのよい例です。NGO、NPO、市民社会、ボランティアが、21世紀の変化を創り出すひとつのキーワードであることは、間違いないでしょう。

しかし、これまで市民社会やNPOのモデルはヨーロッパが中心で、日本は未成熟であるといった評価が続いていました。日本は官僚の力が強く、NPOも行政事業の下請け機関として考えられてしまうことがよくあります。また多くの日本人は、民間のボランティア団体やNPOに寄付をすることをあまりすすんでしません。NPOに対して「この団体は大丈夫か」といった不安を多くの日本人が持ってしまうのはなぜでしょう。

「日本型NPO」「日本型市民社会」とは何かを、狩猟採集時代、古代、中世まで遡り考え、「人を思いやる気持ち」の源流、見返りや交換を求めない「純粋贈与」という価値観が、日本ではどのように存在したのかを考えていきたいと考えています。