教員紹介

新妻 淳子NIITSUMA Junko

准教授

  • デザイン学部 デザイン学科(匠領域)
E-mailアドレス j-niit@suac.ac.jp
キーワード:
日本伝統建築、日本建築史、建築生産、文化財、匠
出身地 静岡県
学歴 学校法人富嶽学園日本建築専門学校建築科卒業
東京大学工学部建築学科研究生
学位 博士(工学)(東京大学、2018年)
経歴
  • 学校法人富嶽学園日本建築専門学校専任教員(1998年から2008年)
  • 特定非営利活動法人静岡県伝統建築技術協会研究員(2011年から2017年)
  • 静岡文化芸術大学文化・芸術研究センター講師(2017年)
  • 静岡文化芸術大学デザイン学部准教授(2020年から)
資格 一級建築士
静岡県文化財建造物監理士
担当授業分野 日本伝統建築、木造建築演習、伝統建築技術演習
研究分野 日本伝統建築
研究テーマ 近世・近代までの建築普請活動について
日本伝統建築の保存・修理とその技術について
研究業績 著書
  • 『建築MAP京都』共著、TOTO出版、1998年
  • 『静岡県の近代化遺産―静岡県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書―』共著、静岡県教育委員会文化課、2000年
  • 『静岡県の近代和風建築―静岡県近代和風建築総合調査報告書』共著、静岡県教育委員会文化課、2002年
  • 『富士宮市の伝統建築―平成12年度富士宮市歴史建造物悉皆調査報告書』共著、富士宮市教育委員会、2001年
  • 『富士宮市の棟札集成―平成13年度富士宮市歴史建造物悉皆調査報告書』共著、富士宮市教育委員会、2001年
  • 『伊東市史調査報告第1集 伊東市の棟札』共著、伊東市教育委員会、2004年
  • 『焼津市花沢 伝統的建造物群保存対策調査報告書』共著、焼津市教育委員会、2008年
  • 『浜松市農村歌舞伎活性化プラン 奥浜名湖の農村舞台調査報告書』共著、浜松市農村歌舞伎活性化プラン実行委員会
  • 『浜松市農村歌舞伎活性化プラン 奥浜名湖の農村舞台調査報告書「狩宿の農村舞台」』共著、浜松市農村歌舞伎活性化プラン実行委員会、2013年
  • 『下田市旧下田町 伝統的建造物群保存対策調査報告書』共著、下田市教育委員会、2013年
  • 『静岡県指定有形文化財 天宮神社本殿及び拝殿修理工事報告書』共著、天宮神社、2013年
  • 『史跡富士山「村山大日堂」保存修理工事報告書』共著、富士宮市教育委員会、2015年
  • 『富士宮市指定有形文化財 井出家高麗門及び長屋修復整備工事報告書』共著、富士宮市、2016年
  • 『静岡県指定有形文化財 医王寺薬師堂保存修理工事報告書』共著、医王寺、2017年
  • 『見付のお蔵―磐田市見付地区「蔵」悉皆調査報告書-』共著、見付宿を考える会・磐田市教育委員会、2020年
論文・解説
  • 「左官組合と太子講―静岡市の事例から」『鏝(KOTE)―伊豆長八と新宿の左官たち―』新宿歴史博物館、1996年
  • 「駿府の工匠の活動について―駿河国における工匠の活動 その1―」日本建築学会東海支部研究報告集第35号
  • 「天保13年久能山東照宮の修理について―駿河国における工匠の活動 その2―」日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、1997年
  • 「徳川幕府の作事における勘定方と目付方の役割」日本建築学会大会学術講演梗概集(九州)、1998年
  • 「増上寺の作事組織について―宝暦13年の増上寺の修理について その1―」日本建築学会東海支部研究報告集第37号、1999年
  • 「増上寺の修理方針決定過程に関する一考察―宝暦13年の増上寺の修理について その2―」日本建築学会大会学術講演梗概集(中国)、1999年
  • 「駿府の大工棟梁花村家について―駿河国における工匠の活動 その3―」日本建築学会東海支部研究報告集第38号、2000年
  • 「安政期久能山東照宮の修理について―駿河国における工匠の活動 その4―」日本建築学会大会学術講演梗概集(東北)、2000年
  • 「久能山東照宮の修理における古木の拝領と払下について―駿河国における工匠の活動 その5―」日本建築学会東海支部研究報告集第39号、2001年
  • 「久能山東照宮修理関係者の旅宿について―駿河国における工匠の活動その6―」日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、2001年
  • 「久能山東照宮の作事組織について―駿河国における工匠の活動 その7―」日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸)、2002年
  • 「駿府の職人町と大工について―駿河国における工匠の活動 その8―」日本建築学会東海支部研究報告集第41号、2003年
  • 「駿府の職人町と左官について―駿河国における工匠の活動 その9―」日本建築学会大会学術講演梗概集(北海道)、2004年
  • 「焼津市花沢の民家と普請(4)―近世末から近代の史料にみる民家普請―」日本建築学会東海支部研究報告集第46号、2008年
  • 「静岡県のすごい産業遺産Ⅰ~Ⅲ」静岡県文化・観光部文化政策課、2011年から2012年
  • 「しずおか近代和風建築さんぽ 第1・2巻」ふじのくに文化・芸術振興事業実行委員会、2012年から2013年
  • 「元禄期の天宮神社造営組織」『静岡県指定有形文化財 天宮神社本殿及び拝殿修理工事報告書』天宮神社、2013年
  • 「元禄10年の棟札写に見る造営」『史跡富士山「村山大日堂」保存修理工事報告書』富士宮市教育委員会、2015年
  • 「久能山東照宮の修営と工匠」『久能山誌』静岡市、2016年
  • 「駿河・遠江・伊豆の寺社造営における江戸幕府の作事とその組織」『建築の歴史・様式・社会』中央公論美術出版、2018年
  • 「明治前期静岡における工匠に関する研究」日本建築学会大会学術講演梗概集(東北)、2018年
  • 「遠州森町薄場中村家伝来木割書に関する研究」日本建築学会東海支部研究報告集、2019年
  • 「徳川将軍と富士山本宮浅間大社ならびに静岡浅間神社の建築」『徳川将軍と富士山』ことのは社、2019年
  • 「静岡浅間神社の江戸後期『御再建場所日記』に関する研究」日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸)、2019年
  • 「本学デザイン教育における伝統建築技術ワークショップの記録」『静岡文化芸術大学研究紀要』 第20巻、2020年
  • 「久能山東照宮神庫棟札と社殿創建年代の再考察」日本建築学会東海支部研究報告集、2020年
  • 「神部神社・浅間神社回廊の再建工程―静岡浅間神社の江戸後期『御再建場所日記』に関する研究 その2―」日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、2020年
  • 「伝統建築技術ワークショップの記録「和釘を打つ、和釘を使う」」『静岡文化芸術大学研究紀要』第21巻、2021年
  • 「神部神社・浅間神社拝殿の再建工程―静岡浅間神社の江戸後期『御再建場所日記』に関する研究 その3―」日本建築学会大会学術講演梗概集(東海)、2021年
  • 「静岡浅間神社『御再建場所日記』から見る災害記録2―静岡県の歴史的建造物の構造性能評価に関する研究 その3―」『静岡文化芸術大学研究紀要』第22巻、2022年
  • 「神部神社浅間神社「二階拝殿」の建築―静岡浅間神社の江戸後期『御再建場所日記』に関する研究 その4―」日本建築学会大会学術講演梗概集(北海道)、2022年
  • 「伝統建築・伝統工芸の技術と文化の継承に関する匠領域の教育・研究」『静岡文化芸術大学研究紀要』第23巻、2023年
所属学会・団体 日本建築学会
建築史学会
文化財建造物保存技術研究会
社会的活動 静岡市文化財保護審議会委員(2013年から)
日本建築学会・近現代建築資料全国調査特別WG調査員(2013年から2015年)
焼津市伝統的建造物群保存地区保存審議会委員(2015年から)
袋井市文化財保護審議会委員(2017年から)
伊豆の国市文化財保護審議会委員(2019年から)
森町文化財保護審議会委員(2019年から)
掛川市文化財保護審議会委員(2020年から)
史跡久能山整備事業委員会委員(2021年から)
浜松市文化財保護審議会委員(2021年から)
重要文化財神部神社浅間神社拝殿ほか修理委員会委員(2021年から)
掛川市文化財保存活用地域計画作成協議会委員(2022年から)

メッセージ

日本の伝統建築は、古代、中世、近世そして近代と日本建築の基礎を確実に継承しつつ、その時々で最高のものを目指して建築されてきました。特に近代における和風建築は、日本建築の粋を集結したものといえるでしょう。名建築と呼ばれる日本伝統建築は、優れた技術・意匠・美術・工芸等から成る総合的な芸術作品です。名建築に直に触れながら、眼を養い、感性を磨くことが、単に伝統建築を継承していくということだけではなく、日本の未来に誇れる建築や芸術を創造することに繋がるでしょう。
どのように日本人は建築の普請活動を行なってきたのか。近世の建築普請活動に関する研究と文化財建造物の調査・保存修理に携わる中で、当時の建築普請組織や工匠の技術・技能、材料・道具、さらにそれらをつくる人たち、とてつもないものづくりの人々の繋がりが見えてきました。一方、このようなものづくりに関わる要素の一つでも欠ければ、日本の伝統建築を後世に継承していくことが危うくなるということも強く感じます。静岡県には豊かな文化と資源があります。その中の一つ、日本伝統建築を支えてきた木材は、静岡県の四大河川上流域から江戸をはじめ東西各地へ送られてきました。特に地元産出木材の地元使用について研究を進めていきます。
日本のものづくり文化と、静岡という豊かな土地の文化に目を向け、それらを総合的に研究し、継承しながら、静岡の新しい文化・芸術の創造を支える人々の中の一人でありたいと思います。