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教員紹介


青木 健

AOKI Takeshi
 

教授


キーワード:ゾロアスター教、マニ教、イスラーム、古代ペルシア、シルクロード

 
出身地 新潟県
学歴
  • 東京大学文学部イスラム学科卒業(1996年)
  • 東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了(1998年)
  • 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了(2003年)
学位 博士(文学)
経歴
  • 日本学術振興会特別研究員PD(2003年から2006年)
  • 早稲田大学理工学部非常勤講師(2009年から)
  • 立教大学文学部非常勤講師(2010年から)
  • 専修大学文学部非常勤講師(2010年から2017年)
  • 慶應義塾大学言語文化研究所兼任所員(2012年から)
  • 東京大学教養学部学術研究員(2012年から2018年)
  • 静岡文化芸術大学文化・芸術研究センター教授(2017年から)
研究分野 イラン学(ゾロアスター教研究、マニ教研究、イスラーム研究)
研究テーマ イラン学が関与し得る古代オリエント研究、シルクロード研究、イスラーム研究
研究業績 著書
  1. 【共編】『東京大学東洋文化研究所所蔵 伊藤義教文庫目録』、東京大学東洋文化研究所附属東洋学研究情報センター叢刊3、2004年1月、全140頁。
  2. 【共編】『東京大学東洋文化研究所所蔵 荒木茂文庫目録』、東京大学東洋文化研究所附属東洋学研究情報センター叢刊7、2007年1月、全166頁。
  3. 【単著】『ゾロアスター教の興亡-サーサーン朝ペルシアからムガル帝国へ-』、刀水書房、2007年1月、全377頁。
  4. 【編著】『伊藤義教氏転写・翻訳『デーンカルド』第3巻(1)』、東京大学東洋文化研究所附属東洋学研究情報センター叢刊8、2007年9月、全141頁。
  5. 【単著】『ゾロアスター教』、講談社選書メチエ408、2008年3月、全220頁。
  6. 【単著】『ゾロアスター教史-古代アーリア・中世ペルシア・現代インド-』、刀水書房、2008年10月、全328頁。
  7. 【編著】『伊藤義教氏版 ゾロアスター教パフラヴィー語辞書』、東京大学東洋文化研究所のWEB http://gikyoito-pahlavi.ioc.u-tokyo.ac.jp/で公開、2009年3月。
  8. 【単著】『アーリア人』、講談社選書メチエ438、2009年5月、全270頁。
  9. 【編著】『伊藤義教氏転写・翻訳『デーンカルド』第3巻(2)』、東京大学東洋文化研究所附属東洋学研究情報センター叢刊11、2009年12月、全175頁。
  10. 【共著】Dasturji Dr. Hormazdyar Kayoji Mirza: Birth Centenary Festschrift (1907-2007), ed. by Dastur Kayoji Mirza Institute, Udvada, 2010年5月, 担当pp. 31-44、“The Whereabouts of Ādur Farrōbay Fire between the Tenth and the 13th Centuries: an Approach from the MSS of the Bundahišn”、全319頁。
  11. 【単著】『マニ教』、講談社選書メチエ485、2010年11月、全280頁。
  12. 【単著】『古代オリエントの宗教』、講談社現代新書2159、2012年6月、全227頁。
  13. 【単著】『ゾロアスター教ズルヴァーン主義研究-ペルシア語文献『ウラマー・イェ・イスラーム』写本の蒐集と校訂-』、刀水書房、2012年8月、全442頁。
  14. 【翻訳】ニコラス・J・ベーカー=ブライアン『マーニー教』、青土社、2014年4月、全328頁。
  15. 【共著】Companion to the Study of Zoroastrianism, eds. by Michael Stausberg and Yuhan Sohrab-Dinshaw Vevaina, London: Blackwell, 2015年4月, 担当pp. 147-156, “Zoroastrianism in the Far East”。
  16. 【共著】『三夷教研究 林悟殊先生古稀紀念論文集』、張小貴(編)、蘭州大学出版社、2015年6月、担当pp. 405-425, “A Study of Zurvanite Zoroastrianism: an Edition of ‘Ulamā-ye Islām of Another Version (UI-2) and its Long Quotation in a Book of Āzar Kayvān School”。
  17. 『イスラームは特殊か:西アジアの宗教と政治の系譜』柴田大輔・中町信孝(編)
    、勁草書房、2018年2月、担当pp. 187-207、「サーサーン朝-イラン的宗教概念

    と王権」

論文・解説
  1. “The Role of Azar Kayvan in Zoroastrian and Islamic Mysticism,” K. R. Cama Oriental Institute: Third International Congress Proceedings, Mumbai, 2001, pp. 259-277.
  2. 「中世ゾロアスター教の後継者-『シーラーズ系ゾロアスター教徒』の興亡-」、『オリエント』、44-1、2001年、pp. 42-57。
  3. “The Genealogy of Philosophical Zoroastrianism,” Journal of the K. R. Cama Oriental Institute, No. 64, Mumbai, 2001, pp. 59-78.
  4. 「ゾロアスター教における聖典の変容-「啓典の民」への移行と『アヴェスター』の空洞化-」、『宗教研究』、334号、2002年、pp. 25-46。
  5. 「近世ゾロアスター教の救世主思想-ゾロアスター教神聖皇帝の到来から宗教思想の変容へ-」、『オリエント』、45-1、2002年、pp. 75-95。
  6. “The Transformation of Zoroastrian Messianism in Mughal India-from the Advent of Zoroastrian Holy Emperor to the Change of Zoroastrianism-,” Orient, Vol. 37, 2002, pp. 136-166.
  7. 「ゾロアスター教神秘主義思想の形成-イスラーム神秘主義の影響とゾロアスター教の伝統-」、『東洋学報』、84-2、2002年、pp. 023-051。
  8. 「古代ペルシアにおける『生と死』-ゾロアスター教文献における「骨」と葬送遺跡-」、『生と死の神話』、松村一男(編)、リトン社、2004年、pp. 203-226。
  9. 「ゾロアスター教における聖地の概念-神官階級の「移動する聖火」と平信徒の自然崇拝-」、『宗教研究』、344号、2005年、pp. 25-47。
  10. 「サーサーン王朝期ゾロアスター教の神官聖火-アードゥル・ファッローバイ聖火の座、X地点の解明-」、『東洋学報』、第87巻第2号、2005年、pp. 001-028。
  11. “Towards the East among Modern Zoroastrians-From Research on the Zoroastrian Cemetery at Kobe, JAPAN-,” Journal of the K. R. Cama Oriental Institute, No. 67, Mumbai, 2006, pp. 18-32.
  12. “Towards the East of Medieval Zoroastrians-From Research on the Persian Village near Yangzhou, CHINA-,” Journal of the K. R. Cama Oriental Institute, No. 67, Mumbai, 2006, pp. 33-47.
  13. 「サーサーン王朝の皇帝イデオロギーとゾロアスター教~アードゥル・グシュナスプ聖火とタフテ・タクディース玉座の検討から~」、『東洋史研究』、第65巻第3号、2006年、pp. 1-32。
  14. 「イスラーム文献が伝える多様なゾロアスター教像-6~8世紀のアラビア語資料のゾロアスター教研究への応用-」、『宗教研究』、354号、2007年、pp. 123-144。
  15. 「ザラスシュトラの預言者化~10世紀アラビア語文献に見るアーリア人神官からセム的預言者への変貌~」、『宗教研究』、362号、2009年、pp. 97-120。
  16. 「ゾロアスター教-中央アジアのアーリア人神官ザラスシュトラと彼の伝説-」、『比較文明』、第24号、2009年、pp. 65-79。
  17. “A History of Zoroastrians in Modern Japan,” Hamazor, 2009-1, pp. 19-21.
  18. 「パールスィーの中国・日本来航」、『アジア遊学:東西交渉とイラン文化』、井本英一(編)、2010年、pp. 199-209。
  19. 「神への愛に狂った悪魔と“黒い光”のメタファー~10~12世紀ペルシア神秘主義理論~」、『比較神話学シンポジウム:愛の二元性』、篠田知和基(編)、2010年、pp. 179-184。
  20. 「ゾロアスター教ズルヴァーン主義研究1~『ウラマー・イェ・イスラーム』の写本蒐集と校訂翻訳~」、『東京大学東洋文化研究所紀要』、第158冊、2010年、pp. 166(115)-78(203)。
  21. 「初期イスラーム神学ムゥタズィラ派研究2~『ウラマー・イェ・イスラーム』の写本蒐集と校訂翻訳~」、『東京大学東洋文化研究所紀要』、第159冊、2011年、pp. 112(249)-66(295)。
  22. 「イスラーム神秘主義と古代イラン神話~スフラワルディーのペルシア語「レシ・ヴィジョネー」研究~」、『比較神話学シンポジウム:呪われた愛』、篠田知和基(編)、2011年、pp. 91-100。
  23. 「ミトラ教ペルシア語文献研究1~『シャープール・バルージーのミトラ教についての書簡』の写本蒐集と校訂翻訳~」、『慶應義塾大学言語文化研究所紀要』、第42号、2011年、pp. 29-45。
  24. 「ゾロアスター教ズルヴァーン主義研究3~『ウラマー・イェ・イスラーム』の写本蒐集と校訂翻訳~」、『東京大学東洋文化研究所紀要』、第160冊、2011年、pp. 224(413)-127(510)。
  25. 「「福建省霞浦県柏洋郷上万村マニ教徒村シンポジウム」の報告」、『神話・象徴・図像Ⅰ』、篠田知和基(編)、楽瑯書院、2011年、pp. 85-92。
  26. 「ゾロアスター教ズルヴァーン主義研究4~『ウラマー・イェ・イスラーム』の写本蒐集と校訂翻訳~」、『東京大学東洋文化研究所紀要』、第161冊、2012年、pp. 144(137)-118(163)。
  27. 「ミトラ教ペルシア語文献研究2~『シャープール・バルージーのミトラ教についての書簡』の写本蒐集と校訂翻訳~」、『慶應義塾大学言語文化研究所紀要』、第43号、2012年、pp. 1-18。
  28. 「マニ教とイスマーイール派イスラームのイエス論比較」、『罪と贖罪の神話学』(篠田知和基・編)、楽瑯書院、2012年、pp. 459-469。
  29. 「アラビア語イスラーム文献に見る『マニ教聖典』集成」、『異界と常世』(篠田知和基・編)、楽瑯書院、2013年、pp. 99-120。
  30. 「須永梅尾氏のマニ教論文遺稿5編についての解説」、『異界と常世』(篠田知和基・編)、楽瑯書院、2013年、pp. 578-80。
  31. 「宝庫の祝祭-21世紀の『アヴェスター』新校訂に関する学会報告-」、『比較神話学シンポジウム2013 文明の発生、農耕、金属、繊維』、pp. 198-200。
  32. 「井本英一教授と古代イラン学と奈良」、『神話のシルクロード』(篠田知和基・編)、楽瑯書院、2014年、pp. 25-32。
  33. 「福建省霞浦県柏洋郷上万村マニ教徒村の第一回調査の報告」、『神話のシルクロード』(篠田知和基・編)、楽瑯書院、2014年、pp. 39-46。
  34. 「ムグ山随想」、『奈良県立橿原考古学研究所彙報 青陵』、No. 143、2015年、p. 7。
  35. 「アーザル・カイヴァーン学派研究1-Dāstān-e Mōbedān Mōbed Dādār Dāddukhtの写本蒐集と翻訳校訂-」、『東洋文化研究所紀要』(第167冊)、2015年、pp. 348 (157) - 302 (203)。
  36. 「アーザル・カイヴァーン学派研究2-Dāstān-e Mōbedān Mōbed Dādār Dāddukhtの写本蒐集と翻訳校訂-」、『東洋文化研究所紀要』(第168冊)、2015年、pp. 77-147。
  37. 「アーザル・カイヴァーン学派研究3-ポスト・モンゴル期のイスラーム思想史に於けるアーザル・カイヴァーン学派-」、『東洋文化研究所紀要』(第169冊)、2016年、pp. 97-184。
  38. 「後期イスラーム哲学の発展:13~18世紀イランにおける神秘哲学-アンリ・コルバン論からイスラーム原理主義まで-」、『生田哲学』、第16号、2016年、pp. 1-14。
受賞歴 日本オリエント学会第25回奨励賞受賞(2004年)
所属学会・団体 日本宗教学会、日本オリエント学会、東方キリスト教学会

 

メッセージ

ここに「文明」の断絶を垣間見るとしたら、メソポタミア文明もエジプト文明もイスラーム到来の遥か以前に消滅しており、古代のアッシリア帝国とイスラーム期のアッバース朝の間には、地理上の一致以外に共通性はない。
しかし、西アジア文明の中に2つだけ例外がある。独自の言語文化を維持したまま古代オリエント期からイスラーム期まで縦貫して存続し得た唯2つの民族が、ユダヤ人とイラン人である。このうち私の専門は、後者のイラン人の宗教思想-ゾロアスター教、マニ教、イスラーム-に当たる。
イラン人の西アジアへの進出は紀元前1000年頃と遅く、古代オリエントではメソポタミア文明やエジプト文明の担い手に遠く及ばない新参者ではあった。しかし、こと永続性に関する限り、古参者を凌駕する新参者であった。そして、そのようなイラン人を扱うイラン学は、古代オリエント期とイスラーム期を越境して同系統の言語を使用し続けた点で、古代オリエント諸学の中でも両期間を架橋して西アジア文明を展望する可能性を持った学問領域である。また、西アジア文明の東端に位置しただけあって、シルクロードと密接な関係を持ち、中央アジアの文明や中国の文明まで視野に入れ得る可能性を持った学問分野である。