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中日新聞・静岡新聞の両編集局長を迎えたゲスト講義を行いました。(12月6日開催)

公開日:2019年12月12日
文化政策学科・専門カリキュラム「マスコミュニケーション論」(担当:加藤裕治教授)の一環として、中日新聞東海本社編集局長・鈴木孝昌氏、静岡新聞編集局長・荻田雅宏氏をお招きし、講義を行いました。
中日新聞・静岡新聞の両編集局長を迎えたゲスト講義のようす
これは、2020年4月に開講し、両社の記者や社員が講師を務めるカリキュラム「メディアとしての新聞/社」の準備講座にあたるものです。
今回はテーマを「いま、新聞ジャーナリズムの役割とは」とし、両編集局長が異なる視点でお話をいただいた後、最後に加藤教授も加わったトークセッションが行われました。

中日新聞東海本社編集局長 鈴木孝昌氏

過去に特派員として香港、北京に駐在していた鈴木局長
「報道という役割」

過去に特派員として香港、北京に駐在していた鈴木局長は、歴史的な場面に立ち会ってきました。香港に駐在していたのは、ちょうど1997年の香港の主権がイギリスから中華人民共和国へ返還されたとき。百年に一度あるかないかという瞬間に、香港市民の声を間近で聞き取ることができたといいます。

北京では夏季オリンピック(2002年)が開催され、中国初のオリンピック開催の喜びと勢いを感じました。
中国では、サーズ(SARS)ウイルスの流行(2002年)、四川大地震(2008年)、高速鉄道の脱線・衝突事故(2011年)などの事件にも直面しました。中国国内では報道の自由がなく、政府が情報を公表しないことも少なくありません。そんな中で、外国の記者が現場に行き取材をすることで、中国の現実を報道し、中国国民の声を世界に届ける意義があるといいます。
鈴木局長の記者としてのキャリアは、浜松市でスタート

鈴木局長の記者としてのキャリアは、偶然にも浜松市でスタートしました。若手の記者が担当する警察(サツ)回り(警察担当記者)では、当時問題となっていた暴力団事務所の反対運動を追いました。住民の反対運動、それにともなう様々な事件を取材し、ときには鈴木局長自身も狙われたこともあるといいます。

地域の課題や話題は全国的に見れば小さな出来事かもしれませんが、地元の新聞社が取り上げなければ地域住民の営みを記録する人はいません。新聞ジャーナリズムの役割は、市民の声を聞き、真実を記録することであると結びました。

静岡新聞社編集局長 荻田雅宏氏

荻田局長から学生に対し、普段どのようにニュースを知るかを問いかけ
「オピニオンという役割」

冒頭で荻田局長から学生に対し、普段どのようにニュースを知るかを問いかけると、多くの学生がインターネット上のポータルサイトやSNSを挙げました。そういったメディアと新聞の違いは、「社説」や「コラム」の有無にあります。

「社説」は、新聞社のニュースに対する考え方を示すものです。ベテラン記者で構成される論説委員が直近のニュースについて議論し、分析した内容が書かれている社説は、署名が無く、あくまで「社の論」として掲載されています。
「コラム」(例えば、静岡新聞社:大自在、中日新聞社:中日春秋)は、同じくベテラン記者が執筆しますが、自由なテーマで個人の意見が書かれています。新聞各紙を比べてみても、同じテーマについて書いていてもタイミングや内容が少しずつ違うことに気付きます。
新聞を用いて講義をする荻田局長
荻田局長は、新聞に各社の意見が掲載されるのは、議論のきっかけをつくるため、とまとめました。ニュースの事実を知り、共有し、意見を交わすことが、民主主義を支えています。

トークセッション

両編集局長、加藤教授によるトークセッション

加藤教授から「実名報道」についてどう思うか、という話題が提供され、会場内に是非を投げかけると「しないほうがよい」という意見に多く手が挙がりました。

両編集局長からの意見では、実名を記録し、人々の生きた証を残すことで、後世の検証に供する意味がある、ということ。一方で、昨今の人権意識の高まりや、メディアスクラム(マスメディアの記者が多数押しかけ、当事者や関係者などに強引な取材をすること)の問題や反省なども述べられました。実名報道は国によって意識が違い、人権への意識や情報公開への信頼度が関係していることがわかりました。

最後の学生からの質疑では積極的に手が挙がり、両編集局長より丁寧なお答えをいただきました。
[発行部署:教務・学生室]