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出版助成


劇場の近代化 本の表紙画像

劇場の近代化
―帝国劇場・築地小劇場・東京宝塚劇場―

永井 聡子[著]
思文閣出版
2014年3月刊行

■日本図書館協会選定図書
図書新聞7/19号 2014年上半期読書アンケート「達人の三冊」に選ばれました。
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◼共著『A History of Japanese Theatre』,Edited by Jonah Salz,Cambridge University Press(2016)を出版しました。永井聡子分担執筆「Modernization of thatrical space」co-writer Samuel L. Leiter
注:執筆論文は永井聡子『劇場の近代化』思文閣(2014)をベースにしたものです。
 

◼共著『A History of Japanese Theatre』(Cambridge University Press)及び永井聡子分担執筆論文「Modernization of thatrical space」がイギリス学術誌Loutledge,Contemporary Theatre Reviewで評価されました。

上記著書が米国図書館協会Choice誌の「Outstanding Academic Titles2017」に選出されました。


 

著者からのメッセージ

この度、大学の助成を受けて本を出版する運びとなりました。本書は「劇場」をその概念から紐とき、劇場空間の中でも舞台と客席を繋ぐ前舞台領域に焦点をあてて考察しました。「劇場」とは、空間のことだけを表現するものではなく、そこで行われる運営方針や作品に重要な役割を果たす演出理念が関係しています。 したがって、「劇場」を複合的な意味合いをもつものと定義し、その上で明治末期から昭和に至る劇場建設の変遷を追いました。特に、近代化の過程で欧風化が 顕著に現れた東京の劇場を取り上げています。例えば、明治44年に開場した帝国劇場は、19世紀末に登場したパリのオペラ座など海外の劇場空間を取り込んだ設計となっています。設計にあたった横河民輔をはじめ、政界人、財界人のそれぞれの夢と現実を実現したものとなり、「多目的劇場」の萌芽と位置づけられます。帝国劇場・築地小劇場・東京宝塚劇場建設経緯から劇場の近代化をみることによって現代の劇場のもつ意味を検証するとともに、これからの劇場モデルと して提示することを目指しました。また、現場の空気に迫るべく、開場当時の写真や言説、関係者へのインタビューの収集に時間を費やしました。特に築地小劇場の復元模型や復元図面、東京宝塚劇場は筆者の撮影によるものです。加えて、名古屋大学大学院で博士号を取得した後、本書完成までの間の10年にわたり劇場で企画プロデューサーとして運営にたずさわりました。地域市民の皆さまとともに劇場を拠点に歩んだ時間の中で、自分の舞台作品を発表したことは、「劇場」の本質をつかまえるための重要な資料となりました。大学院卒業後から本学着任までの間、研究を途切れさせることなくやってきた成果が本書の意義であり ます。

本書執筆にあたっては、本学の助成により実現できましたこと、心より感謝申し上げます。開学10周年記念公演 ミュージカル・ドラマ「いとしのクレメンタイン」の企画・制作にあたったことや、15年にわたる資料収集と現場勤務により学生時代より変わらない論点と、 新たなる資料とを織り交ぜた一冊に仕上がったと思います。本書の内容に関連して、共著『A  History of Japanese theatre』Cambridge University Press(2016)もこの機会に出版いたします。
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