SUAC薪能プロジェクト 2020

プロジェクト代表のごあいさつ

SUAC薪能プロジェクト代表溝口のどかさん

SUAC薪能プロジェクトは今年で20周年を迎えました。新型コロナウイルスの流行により薪能公演は中止となりましたが、コロナ禍でも出来る活動を学生全員で模索してきました。
今回は、私たちが2020年に企画・実施した3つの活動を紹介させていただきます。

今年度の活動を通して、より多くの方にSUAC薪能プロジェクトを知っていただき、今後の活動に興味を持っていただけますと幸いです。

SUAC薪能プロジェクト代表 溝口のどか(芸術文化学科2年)

薪能20周年記念「薪能プロモーション動画」

プロモーション映像の一場面
プロモーション映像の一場面

学生が主体となり、本格的な能公演の企画・運営・広報を行う「SUAC薪能プロジェクト」。学生有志により2001年から始まったこの活動は、今年で20年目になります。それを記念し、薪能プロジェクトのPR動画を制作しました。

活動の様子や、本学デザイン科学生が制作した歴代ポスター、過去公演のダイジェストなど薪能プロジェクトの魅力が詰まった動画となっています。ぜひご覧ください!
薪能プロモーション動画
薪能プロモーション動画 (内容:2分33秒)
(画像をクリックするとYouTubeが開きます)

プロモーション映像担当よりコメント

SUAC薪能プロジェクト ​村上瑛真さん
SUAC薪能プロジェクト
村上瑛真(芸術文化学科2年)
このプロモーション動画は我々薪能プロジェクトの活動をより大学内外に向けて発信していくことを目的として制作しました。

制作にあたってはこれまで19年間の薪能プロジェクトの軌跡を辿ると共に、能の美しさを再度確認することが出来ました。そのため、学生の活動とその成果である能公演をどのバランスで動画の中に取り込んでいくのか、という点を担当学生の中で多く話し合い、何度も調整しました。
私たちが活動の中で何を重要として、どのような活動をしているのか、ということを可視化出来たことによって来年度以降の活動がより明確な目標を持ち、進んでいくことが出来ると思います。

支えてくださった全ての方々に本当に感謝しております。ありがとうございました。

解説副音声付能公演映像「能楽師 梅若猶彦とみる薪能」制作

学生が主体となり、本格的な能公演の企画・運営・広報を行うSUAC薪能プロジェクト。 今回は初の試みとして、本学教授でプロの能楽師である梅若猶彦先生の解説とともに公演映像をお届けします! 学生によるインタビューも必見です。
副音声の収録風景
演目は、2010年に本学出会いの広場にて上演されました薪能「望月」です。
謡に獅子舞、敵討ちと見所満載のストーリー、ぜひお楽しみください!
薪能「望月」

【出演】

シテ 梅若猶彦  ツレ 生一知哉  子方 生一庸
ワキ 宝生閑  間狂言 山本泰太郎
 

【「望月」のあらすじ】

主君を殺され、現在は宿屋を営む友房
その宿にかつての主君の妻子が泊まりにくる
つかの間の再会を喜ぶ三人
そこへ主君を殺した望月が現れた
敵を討つ絶好の機会を得た三人は、望月を倒すべく計画を立てる

映像の視聴(パート1から4まで4編あります)

能楽師 梅若猶彦と見る薪能パート1
能楽師 梅若猶彦と見る薪能パート1
(内容:18分54秒)
(画像をクリックするとYouTubeが開きます)
能楽師 梅若猶彦と見る薪能パート2
能楽師 梅若猶彦と見る薪能パート2
(内容:20分14秒)
(画像をクリックするとYouTubeが開きます)
能楽師 梅若猶彦と見る薪能パート3
能楽師 梅若猶彦と見る薪能パート3
(内容:38分18秒)
(画像をクリックするとYouTubeが開きます)
能楽師 梅若猶彦と見る薪能パート4
能楽師 梅若猶彦と見る薪能パート4
(内容:27分15秒)
(画像をクリックするとYouTubeが開きます)

解説副音声付公演映像担当よりコメント

SUAC薪能プロジェクト 中野珠希さん
SUAC薪能プロジェクト
中野珠希(芸術文化学科2年)
解説動画は、プロジェクトメンバーが激論を重ね選んだ公演映像に、梅若先生の解説副音声とインタビューをのせた、盛りだくさんな内容になっています。動画内で出される質問は、メンバーの学生たちから募集したものです。等身大の疑問になっているため、「能は分からない!」という方にも楽しんでいただけるのではと思います。

時勢を考え、少人数かつ短時間の収録で済むようにしたり、先生と学生の間を十分に保ったりと様々な対策を講じました。オンライン上でのやり取りが難しく、当初の公開スケジュールを大幅に超えてしまいましたが、無事お届けできてホッとしています。
協力してくださったみなさん、本当にありがとうございました!

「SUAC薪能プロジェクト 20年の軌跡」展の実施

2020年、薪能講演は開催を一年間延期としましたが、コロナ禍における新たな取り組みとして、過去の公演の軌跡を、歴代の公演ポスターと謡(うたい)で空間に表現する展示企画を開催しました。

「SUAC薪能プロジェクト ~20年の軌跡~」展

【開催日時】2020年10月28日(水曜日)から11月9日(月曜日)
【展示場所】静岡文化芸術大学 中央ホール

この企画では、キャンパス内でも通気性の良い「中央ホール」という大空間を使い、3密に配慮した様々な工夫を施しました。
例えば、その一つが、展示物に近づかなくとも謡(うたい)を視覚的に楽しめる文字の演出です。展示された過去の公演ポスターの傍らには、床や柱などに印象的な謡(うたい)のテキストが躍り、吹き抜けになった2階の回廊からもその展示を楽しむことができます。
展示物も最小限に留めることで、来場者がその空間に留まる時間が極力短くなるような工夫も施しました。

展示空間を見てさらに能に興味を抱いた人には、プロジェクトチームが運営するTwitterで詳しい情報が入手できるよう、展示と連動した企画も同時に進行しました。
「SUAC薪能プロジェクト ~20年の軌跡~」展会場のようす
「SUAC薪能プロジェクト ~20年の軌跡~」展会場のようす

「SUAC薪能プロジェクト 20年の軌跡」展担当よりコメント

SUAC薪能プロジェクト 大木泉水さん
SUAC薪能プロジェクト
大木泉水(芸術文化学科2年)
薪能公演は開催できませんでしたが、薪能プロジェクトとして活動を残したい、SUAC薪能の軌跡を知ってもらいたいという思いで展覧会を企画しました。

密にならない空間づくりやレイアウトの工夫、視覚で楽しんでもらえるような謡セリフの抜粋、印刷作業など準備にはかなりの時間をかけました。多くの学生が足を止めて展示物に目を向けている様子を見てやりがいを感じ、とても感謝しています。

私たち自身も能の知識を深め、SUAC薪能の歴史を遡る良い経験になりました。
静岡文化芸術大学 薪能プロジェクトチーム2020 メンバー

静岡文化芸術大学 薪能プロジェクトチーム2020 メンバー

代表 溝口のどか(芸術文化学科2年)
副代表 大木 泉水(芸術文化学科2年)
  鈴木 まこ(芸術文化学科4年)
清水 風帆(国際文化学科4年)
種村 公誠(芸術文化学科3年)
鑓水 美緒(芸術文化学科3年)
中野 珠希(芸術文化学科2年)
村上 瑛真(芸術文化学科2年)
神山美瑛子(芸術文化学科1年)
澤田莉々花(芸術文化学科1年)
林 明日未(芸術文化学科1年)
伴 優月(芸術文化学科1年)
福井 健吾(芸術文化学科1年)
古田 摩耶(芸術文化学科1年)
三浦 風音(芸術文化学科1年)
2020年4月、新型コロナウイルスの流行により大学への入構ができなくなりました。入学式も中止となり、一か月遅れで大学は再開しましたが、学生は9月末まで、キャンパス内に入ることのないまま、すべてオンライン授業となりました。 薪能プロジェクトでは、例年3月から能公演の準備をすすめ、4月には、新入生からもプロジェクトメンバーを募集し、幾度もミーティングを重ねながら10月の本公演を目指して活動していきます。

異例づくしの昨年は、メンバーの募集もすべてTwitterなどのSNSや、オンラインで行いました。仲間が集まってくれるか不安でしたが、それでも新たに7名の1年生が参加してくれることになりました。薪能公演は中止となりましたが、19年の歩みを今年で止めるわけにはいかない、来年の公演に繋がる活動をしたい、という思いから、コロナ禍でも出来る活動を学生全員で模索し続けました。
今回企画・制作したプロモーション動画、副音声動画及び展覧会は、どれも薪能プロジェクト初の試みでした。前例がなく、分からないことばかりの状況下で無事に活動を行い、完成させることができたのは、ひとえに薪能プロジェクト担当教員である梅若猶彦先生のご指導、動画制作に携わって下さったK&K Companyの石井さんや本学事務局職員の皆様のご協力のおかげです。

今年度の活動を通して、より多くの方にSUAC薪能プロジェクトを知っていただき、今後の活動に興味を持っていただけますと幸いです。
 
SUAC薪能プロジェクト代表 溝口のどか
薪能プロジェクトスタッフ一同