ホーム > 研究活動 > 重点目標研究領域 > 多文化共生 > 日本語教育


日本語教員養成課程

日本語教員養成課程 学生達の実習の様子
学生たちの実習
本学では2009年度から日本語教員養成課程(全学科の学生が履修可能)が導入されました。この課程は、日本語を母語としない人に日本語を教える教員を養成する課程であり、将来、日本語教師として日本語学習者を指導する能力を培うために必要な知識・技能を学びます。多文化共生の地域づくりに貢献できる日本語指導者の養成が本課程の目的であり、静岡県西部の地域社会のニーズや企業のニーズに応える人材を育成するため、多文化共生に関する学習と実践的な教授法の習得に力点を置いています。「多文化共生系」の学びを中心に据えた日本語教育課程は全国にあまり類がなく、外国人市民の多い浜松市の特質を活かした課程となっています。
 
学生たちは「現代日本語表現」、「日本語音声学」、「日本語文法」といった日本語に関する科目だけでなく、「日英対照言語学」、「日本語教授法」、「企業と言語教育」、「日本語教育の実践と応用」などの多文化共生社会の実現に関わる実践的科目も学びます。こうして学生たちは単に言語としての日本語や日本語教授法に関する専門知識だけでなく、地域にいる日本語学習者がなぜ日本にいるのか、どのような就労・生活環境のなかにいるのか、どんな理由からどのような日本語を学ぼうとしているのかを理解していきます。
 
本学独自の日本語教育の取り組みの一環としてもう一つ挙げられるのは、地域の特性を活かした実習機会が充実していることです。本課程では、対象とする日本語学習者の属性に応じた実践を経験できる機会が数多く用意されています。たとえば、子どもの教育と大人の教育の両方に対して実習機会が開かれており、とくに子どもの教育については、地元のブラジル人学校との連携により、特徴ある実習機会を設けています。この活動を通して日本人学生がブラジル人学校の児童生徒と一過的に交流するだけではなく、継続的な交流が実現します。このような継続的な実習を通して、お互いの考え方の違いを語り合うことができたり、実習をする学生たちは段階的な学習を意識し、授業案を立てられるようになったりするという成果がでました。

文化庁「生活者としての外国人」のための日本語教育事業

文化庁「生活者としての外国人」のための日本語教育事業の様子
文化庁セミナー
2011年度、文化庁からの委託事業として、『「生活者としての外国人」のための日本語教育事業【日本語指導者養成】』を実施しました。
 
本学の事業の目的は以下の3点です。
1)大人と子ども、労働者と生活者のように、対象を区別した日本語教育の在り方を探る。
2)家族ぐるみで日本語教室に通って日本語を学んでもらうための実施方法とノウハウを探る。
3)ブラジル人指導員を含む日本語指導者の育成を図る。
 
3回の養成講座は受講者が一方的に講義を聴くだけではなく、複数の講師の話を聞いたのち、グループに分かれて詳細な質疑応答ができるように工夫しました。また、全体での総合討論を行うことにより、他グループの討論結果も共有できました。

第1回 「地域型」日本語教育の在り方を探る  2011年10月10日(月曜日・祝日)

「『地域型』日本語教育にあった新しいタイプの日本語教師の育成」を学習目標として、午前中は静岡県、岐阜県、愛知県の活動や取り組みを参考に、約70名の受講者が『地域型』日本語教育の在り方について学びました。静岡県東部、静岡県浜松市、岐阜県可児市、愛知県豊田市、そして愛知教育大学の取り組みが紹介されました。午後は、それぞれの取り組みに関心を持った約30名の受講者が午前中の報告者を囲んで小グループでのワークショップを行い、最後はそれぞれのグループの討論結果を持ち寄り総合討論を行いました。

第2回 外国人児童の笑顔のために  2011年12月17日(土曜日)

「外国人支援体制、教室運営、授業の工夫、学校ボランティアによる小学校支援の在り方」と「小学校教育における異文化理解教育、外国人児童の可能性を引き出し成長させる教育」について考えることを学習目標に、午前中は約70名の受講者が先進的取り組みを展開している小学校の試みに耳を傾けました。岐阜県美濃加茂市、愛知県豊田市、静岡県浜松市の小学校の外国人児童担当教諭が現場の取り組みを紹介しました。午後は約50名の受講者が各校の担当教諭を囲んで小グループに分かれてワークショップを行い、その後全員が再度集まって「学校がすること、担任・担当ができること」をめぐって総合討論を行いました。

第3回 外国人学習者の未来への歩みにむけて  2012年2月4日(土曜日)

「日本語力(Proficiency)測定、測定方法、測定後の指導を学ぶ」及び「指導体制や研修制度から日本語教育支援体制を考える」を学習の目標として、午前中は85名の受講生が三重県鈴鹿市教育委員会、名古屋大学とよた日本語学習支援システム、そして国立国語研究所の専門家の講義を受けました。午後は55名の参加者が3つのグループに分かれてワークショップを行い、日本語力測定の具体的方法について学びました。その後の総合討論では、測定結果を踏まえた指導方法の検討へと議論が展開しました。
このように、各回のテーマに関する概観的報告を聴いた上で、詳細説明と質疑応答の機会として少人数のワークショップを行い、最後は各々のワークショップの結果を持ち寄って総合的に討論するという斬新な講座形式を取りました。参加者アンケートでもこのような講座形式を評価する声が多数寄せられました。
各回の講座には行政関係者、教員、学校の支援員等の参加も多く、多様な地域、多様な分野で日本語指導に従事している人たちが一堂に会する機会となりました。男性参加者が多かったことも本事業の特徴のひとつと言えます。
 
本事業全体を振り返るなかで、外国人児童生徒の学習支援に関して、NPOやボランティア団体など実務者レベルで課題を共有するための意見交換の場に対するニーズが明確になりました。こうした要望に応える形で、2012年度から本学が主催する「多文化子ども教育フォーラム」が始まりました。
ページの先頭へ戻る