森山 一郎

ダイエーの経営再建プロセス

「ダイエーの経営再建プロセス」表紙

森山 一郎・高橋 義昭[著]

中央経済社 2020年3月
ISBN 978-4-502-33611-9

著者からのメッセージ

株式会社ダイエーは、1990年代までは日本最大の小売企業でした。しかし、1998年から経営不振に陥り、2004年には産業再生機構の支援を受け入れて、事実上の経営破綻に至ります。その後も、産業再生機構をはじめ多くの関係者がその再建に関わったものの成功せず、ダイエーは、現在イオンの傘下で食品スーパーを運営する一企業となっています。

ダイエーは、なぜこのような事態に立ち至ったのでしょうか。 本書は、ダイエーの経営破綻後に同社の社長代行を務めた共著者の保有する記録や資料の他、新たに実施した聞き取り調査等に基づき、これまで殆ど検討の対象とならなかったダイエーの経営再建プロセスの全体を詳細に記述・検討したものです。

これらの検討を通じて、本書では、ダイエーの経営再建が不調に終わった要因を指摘するとともに、今後の企業再建に向けた示唆についてまとめました。本書が、企業再建論もしくは流通経営論において、有益な視点を提供できていることを願っています。

なお、巻末には、1990年代以降の「ダイエーの業績推移」ならびに「ダイエーの経営再建関連年表」を付し、今後のダイエー研究における参考資料としています。