西田 かほる

近世甲斐国社家組織の研究

近世甲斐国社家組織の研究表紙

西田 かほる[著]

山川出版社 2019年2月
ISBN 978-4-634-52041-7
 

著者からのメッセージ

本書は、甲斐国(現山梨県)における中小神社の神職の活動を、戦国期末から幕末期まで検討したものです。甲斐国のうち甲府盆地を中心とする地域には、戦国大名武田家の氏神である府中八幡宮へ神職たちが交代で参勤する勤番制度がしかれました。江戸幕府もこの制度を継承し、幕末まで維持されます。

本書では、この制度によって成立した神職組織のあり方を検討するなかで、神職の身分、イエ、由緒や言説、あるいは神社支配のあり方、氏子や他宗教者との関係などを考察しました。

甲斐国における神職の研究は、大学3年生の時に出会った菅田天神社(旧塩山市)の文書調査をきっかけとするものです。一つの文書群を読み解き、歴史像を立ち上げていく面白さ、そして史料調査の楽しさを教えてもらいました。