田中 裕二

企業と美術―近代日本の美術振興と芸術支援

「企業と美術」表紙

田中 裕二[著]

法政大学出版局 2021年3月
ISBN 978-4-588-42021-4

著者からのメッセージ

本研究は純粋な美術史ではなく、そうかと言って歴史学の分野で扱われるようなテーマでもない。しかも博物館史の正史でもない。あえて言うのであれば官による博物館史を補う、民による、サブタイトルにもあるように企業の芸術支援・美術振興の歴史を扱った内容である。

近代日本において、整備が遅れた公立美術館の代替機能を果たしてきたのは民間企業であった。とりわけ三井・三越の高橋義雄・日比翁助を軸に経営者の系譜をたどり、その経歴や美術館を通じて、企業経営に美術が導入されてゆく背景を論じた。