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教育・研究

2021年04月16日

国際文化学科二本松ゼミ(伝承文学)の学生が編著した書籍『北遠の災害伝承―語り継がれたハザードマップ―』が刊行されました

文化政策学部国際文化学科の二本松康宏ゼミ(伝承文学)では、浜松市北部の中山間地域で、お年寄りから聞き取った昔話や伝説を採録し、書籍として刊行する活動に取り組んでいます。

この度、ゼミ生6名の編著による『北遠の災害伝承―語り継がれたハザードマップ―』が刊行され、浜松市長及び横山学長にそれぞれ報告と献本が行われました。

鈴木康友浜松市長への献本の様子

鈴木市長への献本の様子
学生を代表して、小川日南さんから浜松市長に献本が行われました。
当日の献本式に出席した学生5人が、思い出に残ったエピソードなどを一人ずつ述べると、鈴木市長からは、採録調査から解説の執筆、編集までに至るまでの苦労に対する労いと、出版へのお祝いの言葉をいただきました。

横山学長への献本の様子

横山学長へ出版の報告をする学生たち
横山学長にも出版の報告と献本が行われました。学生は一人ずつ調査や執筆にあたった思い出を話しました。
書籍を見る学長
横山学長は、学生一人一人からの報告を丁寧に聴き、その一つ一つに質問や感想を述べられ、「拝読して私自身も勉強させていただきたい」と学生たちの成果を称賛しました。
編著者である学生の皆さん (青木ひめのさん、青島萌果さん、小川日南さん、川嶋結麻さん、松井佐織さん)

調査にあたったのは、二本松ゼミに所属する青木ひめのさん、青島萌果さん、小川日南さん、川嶋結麻さん、米川沙弥さん、松井佐織さんの6人(いずれも文化政策学部4年。献本には米川さんは欠席)。

2020年度は、新型コロナウイルスの影響により4月から9月いっぱいまで授業が遠隔となり、ゼミとしての活動が制限されました。そこで、テーマを「災害伝承」に絞り、語り手も絞ったうえでの調査に方向を修正し、可能なかぎりの感染防止対策を検討しながら、秋から調査を再始動しました。
かつてないほどの多くの限られた時間と多くの制約の中でしたが、「あらゆる手段を模索し、最善を尽くす」というゼミのモットーとともに、書籍の刊行まで漕ぎ着けました。

監修にあたった二本松教授からのコメント

伝説や昔話は地域と家庭に語り継がれた「心と記憶の文化遺産」です。土石流や地すべり、山崩れなどは古くから「蛇(じゃ)抜け」とか「蛇(じゃ)崩れ」と呼ばれており、そうした土砂災害は大蛇が山や谷筋を抜け出すことで発生すると考えられてきました。また、渓谷が濁流と化して崩れ落ちるさまが大蛇に見立てられたともいわれています。
今回は、北遠地域に伝わる6つの蛇にまつわる伝説を訪ね、災害伝承としての視点から伝説の背景を検証・解説を実施しました。 この書籍を読まれた方が北遠の災害伝承にさらに関心をお持ちいただけるようになれば、私たちの思いも願いも受け継がれると信じています。

書籍情報

『北遠の災害伝承―語り継がれたハザードマップ―』書影

『北遠の災害伝承―語り継がれたハザードマップ―』

監修:二本松康宏
編著:青木ひめの、青島萌果、小川日南、
   川嶋結麻、米川沙弥、松井佐織
発行:三弥井書店
発行日:2021年3月18日

ISBN 978-4-8382-3381-6 C0040

定価:500円(税抜)

表紙絵、挿し絵 画:まるかわ(漫画家、本学卒業生)

書籍は全国の書店をはじめ、各オンラインショップで購入可能です。
二本松ゼミでは、これまでにも『水窪のむかしばなし』(2015年3月)、『みさくぼの民話』(2016年3月)、『水窪の伝説と昔話』(2017年3月)、『たつやまの民話』(2018年3月)、『春野のむかしばなし』(2019年3月)、『春野の昔話と伝説』(2020年3月)と書籍を刊行してきました。

発行部署:企画室