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学生からのメッセージ

根木隆之 さん写真

自分の好きなもの、形にしたいものを、
どのように表現していくのかを考えていきたい。

根木隆之 さんメディア造形学科 3年
静岡県立浜松南高等学校出身
架空の生物を3DCGで描いたポタロン 顔だけの青くて触角の生えた可愛らしい生き物の画像

あなたの取り組みについて教えてください。

私は、主に3DCGの映像作品の制作を行っています。中でも、キャラクターアニメーションの作品を多く制作しています。最近制作したものは、架空の生物の生態を3DCGで描いた「ポタロンのひみつ」というキャラクターアニメーション作品です。ポタロンと呼ばれる、可愛らしくも不気味な架空生物の暮らしを通して、生き物が持つ無邪気さ、不気味さ、容赦のなさといったものを描き出すことがこの作品のテーマです。また、本作のBGMを作る時には、他大学の友人の伝手で、小さなお子さんたちに歌ってもらい、その歌声を録音したものを使用しました。この作品は、自主制作ではなく課題作品のため、プレゼンテーションにも力を入れ、BGMを最初に自分で歌い、ポタロン図鑑をスライドショーで流すなど、観客に楽しんでもらうための工夫をしました。
架空生物ポタロン 果実のように木にぶらさがっている画像など

苦労した点について教えてください。

映像制作において一番辛いのは、作品が大まかに出来上がった後のブラッシュアップの作業だと思います。本作においてもそうでした。制作する上でのゴールは、締め切りという時間的な要素としてしか存在しません。「ここまで出来たら及第点だから、後は手を抜いても大丈夫だろう。」という考えではなく、例えば締め切りが3日後であれば3日間、1週間後であれば1週間、ずっとクオリティを上げる作業をする必要があります。カメラワークや、キャラクターの質感などといった要素を一つずつ見直していき、締め切りまでに不自然なところを少しでも減らしていく、この作業は非常に時間がかかり、肉体的にも精神的にも疲れますが、自分の間違いに気づき、修正する力を養うという点では、とても勉強になると思います。
架空生物ポタロンとはにわのような黄色の生き物と話をしている画像

取り組みを通じて得たものを教えてください。

この作品の制作を経て、最初に実感したのは、作品は製作者の独りよがりだけでは決して成り立たないということです。この作品は、企画から最後のブラッシュアップに至るまで、たくさんの人の助言を受けました。また、たくさんの人が完成版を楽しみにしてくれました。その人たちのために、作品を完成させてやろうという気持ちが生まれました。誰にも相談せず、完全に自分一人で制作をしていたら、いつかは挫折するか、手を抜いていたかもしれません。自分以外の誰かのために、という気持ちを忘れず、何とか発表までこぎつけることができました。

将来の目標を教えてください。

私は物語や、キャラクター、世界観などを考えるのが好きなので、将来においては、自分の考えたキャラクターやストーリーを多くの人に見てもらい、どんな評価や、感想を得ることができるのか確かめてみたいと思っています。また、現代はインターネットの発達によって誰もがクリエイターとなれる時代であり、プロとアマチュアの垣根があいまいになっています。その中で、プロにしかできないことや、アマチュアだからこそできることを見極めていくことも大切だと思います。表現の手法が多様化していく中で、自分の好きなもの、形にしたいものを、どのような方法で表現していけばよいのか、考えていきたいです。
注)学生の学年表記は取材時(2014年度)のものです。
注)2015年度入学生からは、これまでの生産造形学科、メディア造形学科、空間造形学科の3学科が再編されてデザイン学科になりました。