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学生からのメッセージ

杉本健至 さん写真

人に何かを伝えるという点では演劇も広告も同じ。
広告を通じて人々に
新しい生活スタイル・文化を提示したい。

杉本健至 さん芸術文化学科 3年
新潟県立新潟南高等学校出身
大学内での演劇の様子

あなたの取り組みについて教えてください。

私は大学1年の冬に、同じ学科の友人とともに演劇プロデュース団体を立ち上げました。「SUACで独自の刺激を創造する」をコンセプトに、2年間で計4回の公演を行いました。劇団ではなくプロデュース団体の形をとった理由は、毎回新しいメンバーで、その時にしかできない面白さを追求したいという思いがあったからです。演劇はお客さんの目の前で演じる分、つくり手に反応がダイレクトに返ってくる芸術です。また、世の中の流行や関心事の影響が色濃く出るものでもあります。私はすべての公演において演出家という役割を担っていましたが、今、何をどう伝えたら観客の心に響くのか、企画から考えていく作業はとても楽しいものでした。
公演ポスター まるくなる。 の画像

苦労した点について教えてください。

苦労した点は何と言っても人集めです。キャスティングもそうですが、ロケハンやフライヤー・舞台美術の製作依頼など、公演を行うためには様々な交渉事があります。快く協力してくれる人いれば、一筋縄ではいかない人もいます。交渉がうまくいかない場合、何が譲れて何が譲れないのかを決めることはとても難しいことではありましたが、限られた時間の中でプロジェクトを進めていくことは大きな経験になりました。何事もそうですが、自分の思い描いているものを人にうまく伝えられなければ、人を動かすことはできません。同じSUAC生の中でも学科が違えば全く考え方が違います。せっかく、文化政策学部とデザイン学部があるのだから、他学科の人たちとも積極的にコミュニケーションを図ってみることをお勧めします。
公演の仲間達と天気の良い屋外で集合写真

取り組みを通じて得たものを教えてください。

率直に言うと、仲間が増えたことです。遊び仲間ということではなく、公演の成功というひとつの目標に向かって皆で頑張ることは、漫然と大学生活を送っていては得られなかった経験だと思います。延べ、100人以上の方と関わりができ、交友の輪が大きく広がりました。また、一番嬉しかったのは一般の方でファンだと言ってくれる方がいて、毎回公演を楽しみにしてくれる方々がいたことです。公演のアンケートを見ても、作品を深堀りして、時には厳しい意見を言ってくれる方々がたくさんいて、本当にありがたかったなと思います。

将来の目標を教えてください。

ここまで演劇ネタで書いておいてなんですが……演劇業界で働こうとは考えていません。今は広告業界に興味を持っています。私の場合は演劇が好きというよりも、観客の心を動かすような演出や、稽古をつける中で発生する役者とのコミュニケーションに関心がありました。人に何かを伝えるという点では演劇も広告も同じだと思います。広告はモノを売るだけでなく、文化をつくることもできます。例えば、ある電気自動車のCMではガソリン代が浮いたお金で母親が娘にピアノを習わせている場面が出てきますが、これもれっきとした文化だと思います。私は広告を通じて人々に新しい生活スタイル・文化を提示したいと思っています。特に、2020年の東京オリンピックで何が変わるのか、また何を変えられるのか、今から楽しみにしています。
注)学生の学年表記は取材時(2014年度)のものです。