教育・研究
2021年07月14日
本学高田和文理事による特別講義が行われました(7月6日開催)

国際文化学科専門科目「ルネサンス文化史」(武田好教授)の授業で7月6日、本学の高田和文理事による「ルネサンス期のイタリア演劇」について特別講義が行われました。高田理事はイタリア演劇の研究者として本学の教授、副学長を務められた経歴をお持ちで、今回の講義は学生にとって直接ご指導いただく貴重な機会となりました。
講義の最初に無形文化の研究の難しさについて語られました。ルネサンス時代の演劇やオペラ、舞踊などは、美術や建築のような有形のものと比べると、形が残らないため、当時はどのように演じられていたのか知られていません。そのような中でも台本や筋書、衣装、日記、当時の上演風景を描いた絵画など、周辺に残っている手掛かりから推測することができます。
ルネサンス時代のイタリア演劇が現代に残したもの

ルネサンスとは古代ギリシャやローマ文化の復元・復興を目指す文化運動であり、宗教から世俗へと文化の主体が移行する過程で、現代の舞台芸術の原型となる様々な要素が誕生しました。
一つ目は、当時の話し言葉で書かれた台本と市民生活を主題とした人文劇の成立です。
二つ目は、仮面即興劇(コンメディア・デッラルテ)の誕生です。俳優集団としての劇団活動や、男優が男を演じ、女優が女を演じる近代演劇のスタイルが確立されました。
三つ目は「オペラ」の誕生です。「古代ギリシャ悲劇」の復元を目指し、全編を歌で表現するための手法を発展させ、現代まで再演芸術として存続しています。
最後に劇場「テアトロ・オリンピコ」の完成です。これは古代ローマの劇場を元に作られ、のちに東京新国立劇場など現代の劇場に大きな影響を与えました。
一つ目は、当時の話し言葉で書かれた台本と市民生活を主題とした人文劇の成立です。
二つ目は、仮面即興劇(コンメディア・デッラルテ)の誕生です。俳優集団としての劇団活動や、男優が男を演じ、女優が女を演じる近代演劇のスタイルが確立されました。
三つ目は「オペラ」の誕生です。「古代ギリシャ悲劇」の復元を目指し、全編を歌で表現するための手法を発展させ、現代まで再演芸術として存続しています。
最後に劇場「テアトロ・オリンピコ」の完成です。これは古代ローマの劇場を元に作られ、のちに東京新国立劇場など現代の劇場に大きな影響を与えました。

高田理事は「昔の劇場を見ることは演劇研究や建築を学ぶ上で大切なことであり、観光資源としてだけではなく広く活用していく考えをもつべきである。」「今ある新しい形を当たり前と思わず、その根本を考え疑う目をもつこと、ルネサンスに限らず文化のありようを考えて欲しい。」と学生に呼びかけました。
受講した学生からは「今までにない視点でルネサンス文化の理解を深めることができました。」「イタリア演劇の映像を初めて観たが面白かった。」「東京新国立劇場に行ってみたくなりました。」などと感想を述べました。
発行部署:企画室