教育・研究
2021年08月19日
「日本伝統建築」で静岡県文化財課の方をお招きし特別講義が行われました(7月20日開催)
デザイン学部専門科目・文化政策学部科目の「日本伝統建築」(担当、新妻淳子准教授)では、日本の伝統建築の歴史と特質について先史時代から近代までを学びます。さらに建築の技術、材料や道具、文化財政策や保存・活用について理解を深め、文化資源のあり方を考察します。
7月20日、静岡県スポーツ・文化観光部文化局文化財課の菊池吉修さんをゲスト講師としてお招きし、文化財の基本から最新の文化財政策と保存・活用まで幅広くお話しいただきました。
県文化財課の菊池吉修さん

国は歴史的に重要な建造物や美術工芸品等の文化財を消失の危機から守るため、昭和25年に文化財保護法を制定し、時代に即した内容となるよう法改正をしています。「これからは、地域が総がかりで、文化財の本質的な価値を守りながら、現代に活かしていくことが求められています。」と菊池さんは言います。静岡県では令和2年3月、今後の静岡県における文化財の保存と活用の基本的な方向性を示す「静岡県文化財保存活用大綱」を策定しました。この作成にあたり、広く市民の意見を聞く「パブリックコメント」では、本学の学生たちが多くのコメントを寄せ、計画に反映されたそうです。本学のある浜松市では、今年の7月にいち早く「文化財保存活用地域計画」をまとめ、文化財の保存と活用を推進していこうとしています。具体的な文化財活用のお話では、神社仏閣や美術館などの独特な雰囲気をもつ会場で、会議やイベント等を行う「ユニークベニュー」や、VR、AR、アプリ作成、三次元計測や高精細画像による記録化などの先端技術活用について学生たちは強い関心を示しました。

講義の後半は質疑応答が行われ、菊池さんは「学生の皆さん、文化財は見るだけではなく、音や触感なども含めた五感で感じてほしいです。お勧めの文化財は、現在、大規模な修理が行われている静岡浅間神社です。浜松市は、これから文化財の保存活用が積極的に進んでいくので、ぜひ文化財の保存活用に関するパブリックコメントやボランティア等に参加してみてください。」と伝えました。
参考サイト
発行部署:企画室