教育・研究

2022年02月01日

博物館学概論にて浜松市美術館学芸員の方をお招きした特別講義が行われました

浜松市美術館学芸員島口直弥さんの講義中の画像

本学では博物館学芸員の資格を得るための学芸員養成課程を設けています。その課程の資格科目の一つ「博物館学概論」(担当:田中裕二准教授)は、博物館学芸員に必要な基礎知識を学び、博物館が抱えている課題について考え、解決していく力を養います。
今回1月21日の講義に、浜松市美術館学芸員 島口直弥さんをお迎えした特別講義が行われました。講義内容は島口さんの実際のスケジュールを見ながら「学芸員の一日の仕事の流れ」をご紹介いただき、普段見えない美術館の裏側を具体的に知る貴重な機会となりました。

浜松市美術館学芸員島口直弥さんの画像
浜松市美術館学芸員 島口直弥さん

島口さんは愛知や遠州地域の仏像を専門としており、作年企画した仏像展は、仏像を種類分けした構成と、360度観音菩薩を鑑賞できる展示で人気を集めました。展示の宣伝のために自らCMに出演し、教育普及のための出張講演もされています。学芸員は現物と対峙する仕事であり、作品の調査や集荷、コンディションチェックなど、美術館にいないことが多いのが現状だそうです。そんな多忙な日々を送りながらも、「作品を厳選し、どう並べるか考え、展示のメッセージが観に来られた方々に伝わると学芸員冥利に尽きる。」と語りました。

また、島口さんは、館内に仏像になれるフォトスポットの設置や、鉄道車両に仏像ヘッドマークをつける企画、夜間の館内ピアノコンサート、日本画の作品を缶バッジにして、SNSに投稿した方に贈るなど、面白いイベントやワークショップなどを数多く企画しています。「遊び心を忘れずに楽しむことが大切。専門外の展覧会も携わるので常にアンテナを高くしておくこと、なによりコミュニケーション能力が求められる。」と学生たちに伝えました。
 

発行部署:企画室