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2026年07月13日
【授業紹介】「地域福祉論」にてゲストを迎えた講義を実施しました
文化政策学部文化政策学科科目「地域福祉論」(担当:文化政策学科・小林淑恵准教授)では、地域社会とその住民が直面する現状を踏まえた上で、地域福祉の理論・制度や行政施策の推移、さらには、地域福祉に関わる機関・団体、人材、ボランティア・NPO等の活動の実態を概観し、地域福祉が抱える課題や解決のあり方を検討する授業を展開しています。
今回は、法政大学名誉教授の坂本光司氏を講師に迎え、「企業経営と地域福祉」をテーマとした特別授業を行いました。坂本氏はこれまで全国約9,000社を訪問・調査し、「人を幸せにする経営」を研究・実践してきた第一人者です。当日は、自らが出会ってきた企業の実例を交えながら、地域福祉を企業活動の視点から考える講義が行われました。
講義ではまず、「企業経営の目的は利益を上げることではなく、企業に関わる人々の幸せを実現すること」という坂本氏の考え方が示されました。利益は目的ではなく、社員や家族、顧客、取引先、地域社会を幸せにするための手段であるという説明に、学生のみなさんは従来の企業観との違いを感じながら耳を傾けていました。

その考え方を具体的に理解するため、障害者雇用や地域貢献に積極的に取り組む企業の事例が数多く紹介されました。北海道のクリーニング会社では、重い障害を抱えながら創業した経営者の理念が現在まで受け継がれ、人を大切にする企業文化が地域に根付いています。また、鹿児島の企業では、障害のある人にとって「働くこと」や「誰かの役に立つこと」が社会参加につながるという考えから事業が始まり、地域全体で支え合う仕組みづくりが進められていることが紹介されました。
さらに、社員とその家族を大切にする企業の取り組みとして、社員や家族の誕生日を会社全体で祝い、社長自らが手書きのメッセージを添えて花束を贈る事例も紹介されました。こうした一つ一つの実践が社員の働きがいや企業への信頼につながり、その結果として顧客満足や企業の発展にも結び付くことが説明されました。
講義では、「企業は社会の一員であり、地域社会への貢献は特別な活動ではなく使命である」とも語られました。障害者雇用や福祉施設への発注、地域活動への参加など、企業が地域福祉に果たす役割は多岐にわたり、その積み重ねが誰もが暮らしやすい社会の実現につながることを、豊富な実例から学びました。

学生のみなさんは、福祉は行政や福祉施設だけが担うものではなく、企業や地域住民など多様な主体が支え合うことで成り立つことを実感するとともに、「利益」と「幸せ」は対立するものではなく、人を大切にする経営が持続可能な企業と地域をつくることを理解しました。実際の企業の取り組みを通して地域福祉を学んだ今回の授業は、福祉の新たな可能性と、社会で働くことの意味を考える貴重な機会となりました。
発行部署:企画室
