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2026年08月21日
【授業紹介】「現代社会と芸術文化」にてゲストを迎えた講義を実施しました
文化政策学部芸術文化学科科目(政策とマネジメント)「現代社会と芸術文化」(担当:芸術文化学科・南田明美准教授)では、情報化、少子高齢化、国際化をはじめとした現代社会における様々な環境変化と芸術文化の関係について、国内外の様々な事例を通じて多面的な視点から学ぶことにより、現代社会におけるアートマネジメントや文化政策のあり方を考えるための授業を展開しています。
第12回となる授業では、浜松市を拠点に文化・福祉・まちづくりに取り組む「認定NPO法人クリエイティブサポートレッツ」の水越雅人氏とメンバー合わせて9名を迎えた特別授業を実施しました。本授業は、翌週に予定している施設見学に向けた事前学習として行われ、障害のある人と実際に出会い、共に過ごすことの意味について理解を深める機会となりました。水越氏からは、レッツが目指す「障害や国籍、年齢、性別など、あらゆる違いを越えて、誰もが自分らしく表現し、共に生きる社会づくり」の理念や活動について紹介されました。

レッツでは、福祉施設の運営だけでなく、アートプロジェクトや地域交流、まちづくりなど、多様な活動を展開しています。その根底には、「障がい者だから」と一括りにするのではなく、一人ひとりを固有の存在として捉え、その人が持つ表現や生き方に向き合う姿勢があります。水越氏は、「障がい者という言葉だけで理解したつもりになるのではなく、実際に本人と出会うことが何より大切」と語り、今回メンバーが学生とともに授業へ参加した理由についても説明しました。
授業では、レッツ設立の背景や活動の歴史についても紹介されました。アートNPOとして始まった活動は、重度の知的障害のある人やその家族の居場所づくりをきっかけに発展し、現在では生活介護事業や地域活動支援センターの運営、ヘルパー事業、さらには地域住民や企業、行政を巻き込んだまちづくりへと広がっています。福祉を「支援する・される」という関係だけで捉えるのではなく、人と人との自然な関係性を築くことを大切にしている点が特徴です。
印象的だったのは、「表現未満、」という考え方についての紹介です。何かを繰り返す行動や日常の何気ないしぐさも、その人自身を表す大切な表現として受け止めようという取り組みであり、芸術作品として評価する以前に、その人の存在そのものを認めることの重要性が語られました。学生のみなさんは、障害のある人の行動を「できる・できない」という尺度だけで見るのではなく、その人らしさとして受け止める新たな視点に触れました。
また、地域との関わりについても紹介されました。レッツは、福祉施設を地域に開き、音楽イベントや祭り、交流会などを通して、障害の有無にかかわらず誰もが自然に集い、交流できる場を数多く生み出しています。福祉施設を地域の社会資源として活用し、人々が気軽に立ち寄れる場所にすることで、多様な人が共に暮らすまちづくりを実践していることが説明されました。
授業の最後には、施設での日常の様子を収めた映像も紹介されました。利用者一人ひとりが思い思いに過ごす姿や、音楽や創作活動を楽しむ様子からは、支援される存在というイメージではなく、それぞれが自分らしく暮らす一人の生活者であることが伝わってきました。
次回の施設見学では、学生たちは実際にレッツを訪れ、メンバーと同じ空間で時間を過ごします。水越氏からは、「説明を聞くだけではなく、自分自身で感じ、戸惑いや発見も含めて一人ひとりと出会ってほしい」とメッセージが送られました。今回の授業は、福祉を制度や支援の枠組みとして学ぶだけでなく、人と人との関係性や、多様な価値観を受け止めることの大切さについて考える貴重な学びの機会となりました。
発行部署:企画室
