ゼミ紹介

PICK UP SEMINAR 14

伝承文学 ―風景の中の日本文学―

二本松 康宏 教授  研究分野:日本文学、伝承文化
岩堀 奈央 IWAHORI Nao
4年生
私が所属する「伝承文学ゼミ」では浜松市天竜区水窪町で昔話の採録調査を行っています。調査ではいつも民宿に泊まります。ゼミのメンバーで一緒に過ごす時間がとにかく長いので、仲間同士の連携は抜群です。

昔話の調査は、まず話者であるお年寄りに、子どものころに聴いた昔話を思い出していただくところから始めます。根気強く、ゆったりと会話をしながら、自分のおじいちゃんやおばあちゃんとの思い出に戻っていただく。そうして、ようやく昔話が語られます。私たちの調査報告書が『みさくぼの民話』という本になって出版されたときの感動と感激は忘れられません。

私は教員を目指していますが、このゼミで培った経験やスキルは、将来の教育の現場でもきっと役立つと思います。
二本松 康宏 NIHONMATSU Yasuhiro
私たちのゼミは、浜松市の最奥部に位置する水窪町で昔話の採録調査をしています。浜松の中心市街地から約70km、遠州鉄道と路線バスを乗り継いで2時間30分。学生たちは、毎月1~2回、年間では10回以上も水窪を訪ね、地域の人々、とくに高齢者たちが伝える昔話を採録します。
採録した昔話は「方言のまま」「語りのまま」に記録します。

私たちの目的は地域文化の保護・保存・伝承。その土地に生きてきた人々の思いとともに昔話を未来へ託すこと。ゼミのこうした取り組みは、新聞やテレビなどでもしばしば紹介され、日本昔話学会においても高い評価を受けています。
2014年度の調査成果は『水窪のむかしばなし』(植田沙来・内村ゆうき・野津彩綾・福島愛生・山本理紗子編著、三弥井書店、2015年)として刊行されました。2015年度の調査成果も『みさくぼの民話』(岩堀奈央・植木朝香・末久千晶・鷹野智永・久田みずき編著、三弥井書店、2016年)として刊行されています。
ページの先頭へ戻る