ゼミ紹介

PICK UP SEMINAR 21

「多文化共生」新時代 ~未来を共に創る~

佐伯 康考 准教授  研究分野:国際的な人の移動研究(Migration Studies)
Izumi Francine Mai
3年生

佐伯ゼミでは誰もが暮らしやすい社会を目指す「多文化共生社会」について研究をしています。
3年生の前期はゼミ生が興味に基づいた本を一冊選び、その本のレジュメを発表した後にグループディスカッションを行います。取り扱っているテーマとして外国人労働者、外国ルーツ児童生徒の教育、移民コミュニティ等が挙げられます。

私は日系ブラジル人として日本で生まれ育ち、今までに様々な困難や葛藤がありました。自分の体験を通してこれからの世代の外国にルーツを持つ子供をサポートしたいと思うようになり、外国ルーツ児童生徒の母語教育やアイデンティティについての研究を進めています。 ゼミでは卒業研究のほかに学外活動も行っています。
2023年1月28日にららぽーと磐田で開催された「磐田・袋井・掛川インターナショナルフェア2023」ではゼミ生6名がボラ ンティアスタッフとして参加しました。磐田市・袋井市・掛川市の国際交流協会や市役所の 方々と協働してイベントを支えたことは非常に貴重な経験となり、勉強になりました。
佐伯 康考 SAEKI Yasutaka

浜松市はブラジル人住民が全国最多の街であり、2001年に発足した外国人集住都市会議「浜松宣言」をはじめ、まさに「多文化共生」の最前線として国内外から高い注目を集めてきました。

深刻化する少子高齢化を背景に、日本国内で就労する外国人労働者数は大幅な増加を続けており、コロナ禍の影響を受けつつも2022年には182万人と過去最多を更新しました。また日本社会への永住を選択する方々も増加しており、日本に在留する外国人数は2022年末に初めて300万人を超えました。国立社会保障・人口問題研究所の推計では2070年に日本の総人口に占める外国人の割合は10%を超える見込みとなっています。

多様な外国人の受け入れは、深刻化する人手不足の補填だけではなく、企業の技術革新や収益拡大を促すと期待されています。しかしその一方で、世界各国においてグローバル化への反発・移民排斥の風潮が拡がり、社会に深刻な分断が生じていることも事実です。

日本人と外国人が仕事を奪い合う代替関係ではなく、お互いを補い合う補完関係となり、未来を共に創るためにはどのような取り組みが必要でしょうか? 「多文化共生」新時代を切り拓くための知恵を、一緒に学んで行きましょう。
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