宮崎千穂

近代ユーラシアの帝国医療 風土病・流行病・パンデミック

出版助成「近代ユーラシアの帝国医療 風土病・流行病・パンデミック」宮崎千穂

宮崎 千穂 [編著]

ミネルヴァ書房 2026年2月
ISBN 978-4-623-10053-8

著者からのメッセージ

>本書は、従来、主に「熱帯」を対象として展開されてきた帝国医療という研究枠組みをユーラシアの高緯度帯へと拡張し、広大なユーラシアを俯瞰して近代帝国の医学・医療の特性について考えようとする試みです。とりわけ、ユーラシアで版図の拡大を目指したロシアと日本という近代帝国に注目しています。
帝国医療という観点からみると、近代ユーラシアは、風土病、そして、パンデミックの舞台でした。そこでは、コレラは(半)乾燥帯を突き抜け、「パンデミック」となりました。マラリアは「風土病」として「発見」されました。北の結核には「人工太陽」といった新しい治療法が試みられました。また、感染症などの疾病を防ぐための防疫のみならず、気候風土に適した体質についての医学も展開をみせました。
私たちは、COVID-19のパンデミックを経験し、激しい気候変動の中に生きています。また、戦争もなくなってはいません。現代の国際的な医療問題を考えるためにも、本書を通して、近代の医療・医学について関心を持っていただければ幸いです。