Case Study事例集

特色ある事業

異分野との連携による
認知度向上への取り組み

広島交響楽団/公益社団法人 広島交響楽協会
1963年広島市民交響楽団として発足、72年にプロ化。「平和貢献」「地域に根差した楽団」「世界に通用する楽団」を理念に掲げ、年間約140回の演奏会活動を行う。運営法人名は公益社団法人 広島交響楽協会。2015年度実績の収入構成は、地方自治体(広島県、広島市)からの補助金が30%、文化庁・芸術文化振興基金が10%弱、演奏収入が50%弱、民間寄付金が10%強となっている。
広島交響楽団は、サンフィレッチェ広島と広島東洋カープとともに、広島県・広島市が誇る文化・スポーツの「3大プロ」として連携事業「P3 HIROSHIMA」を展開している。P3とはPRIDE(誇り)、PASSION(情熱)、PROSPECTS(期待)の「3つのP」である。主な事業内容は、県内在住者を3団体の試合・演奏会にセットで招待する企画や、小学生を対象としたものとして、夏休みに親子を競技場・演奏会場に招待し、裏方を体験し本番を鑑賞する「夏休み体験事業」、そして3団体の選手・奏者が揃って小学校に訪問し、人と技に触れてもらう企画である。いずれも3団体の事業が単体ではなく共同で動いており、「3大プロ」が広島にとっての誇りであることを県民、市民に感じさせる連携事業となっている。
本事業は2006年の広島青年会議所「街の魅力向上委員会」による、3つのプロ団体を応援する企画をきっかけに、3団体が連携し潜在的なファンを掘り起こすことを目的としてスタートしている。日本のプロオーケストラが、その地域のプロ球団やサッカーチームの開幕戦等でファンファーレの演奏を行う風景はよく見られるものである。それらに対し広島における取り組みは、文化・スポーツにおける3つのプロ団体が県内に存在する強みを生かし、一歩踏み込んだ形で事業化されている。内容から捉えると、子どもをはじめ広島県民・市民に、誇りや夢を与える社会貢献としての活動であるが、特に広島交響楽団としては、圧倒的な観客動員数を誇るスポーツのプロと連携することにより、楽団の認知度向上に着実に繋げている。
Point
  • サッカー、野球というスポーツのプロ団体と連携し、地域の誇りとなるべく足並みを揃えて社会貢献活動を行い、楽団の認知度向上に繋げている。