Case Study事例集

自治体と財団の関係

指定管理者以外の事業:
財団の存在意義を考える

公益財団法人 新潟県文化振興財団
1981年3月に新潟県の全額出捐により設置され、2007年より新潟県民会館の指定管理業務を担ってきたが、2015年4月に指定管理を外れた。現在は、独自の社会貢献事業、県内各地の公立文化施設への興行支援と民間文化団体への活動助成・後援のほか、関係団体との情報共有や情報誌の発行による文化活動の周知等により、県内の文化振興に寄与している。
施設管理事業を行っていない公益財団法人 新潟県文化振興財団では、施設管理以外の財団の役割を考えた事業を展開している。新潟県内では経済活動の活発な主要都市である新潟市と長岡市に施設や文化事業が集中する傾向があり、それ以外の地域との文化的格差は小さくない。そこで、主要都市部以外を中心とした芸術振興も財団の重要な役割と考え、市町村が保有する施設での文化事業の拡充に取り組んでいる。財団自主事業のほか、文化庁の「文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業文化庁補助事業」による県内施設での事業充実を図るべく、県内施設の要望等の取りまとめ役となり、補助事業に参画しやすい環境づくりをしている。
公演等のイベント事業以外にも、県内マスメディアや文化芸術団体といった文化事業を実施する団体を広く集めた「文化事業情報交換会」を開催し、ネットワーク形成の場を提供している。加えて、情報誌「Culture Niigata」を発行し、県内文化施設やアマチュア団体等の公演情報等を発信している。
同財団の発行する「カルチャーにいがた」のロゴマーク
Point
  • 広域自治体の設置する財団だからこそ、県内の大小さまざまな文化施設や団体をつなぐ役割が重要となる。
  • この背景には広域で情報がつながりにくいという地域の特徴があり、地域性を捉えた県の財団にしかできない事業といえる。