Statistical Data統計データ

2012年度データ・収入
[分析]

民間支援、寄付金、会費の状況は
どうなっているのか?

ここでは自治体文化財団の民間支援(助成財団及び一般企業からの支援)、寄付金、会費の状況を概観する。2012年度の収入のデータのうち、施設を指定管理している財団において、民間支援、寄付金、会費の3つの収入項目の、平均値、中央値および最大値3件をそれぞれ抽出し、その傾向をみる。民間支援、寄付金については、日本のオーケストラの状況(※)と比較する。
※公益社団法人 日本オーケストラ連盟会員団体(準会員を含む)[33団体](2013年度SUAC芸術経営統計より)
Point1

自治体文化財団の民間支援は約220万円、寄付金は約300万円、
会費は約150万円が平均値

自治体文化財団の民間支援、寄付金、会費の平均値は、それぞれ約220万円、約300万円、約150万円だが、中央値をもとめるとすべて0円になるのが実態である。
一方で、最大値をそれぞれ3件ずつ抽出すると、民間支援では約2,100万円、約1,910万円、約1,750万円となっている。寄付金では、約2,690万円、約1,060万円、約665万円で、会費は約3,200万円、約1,950万円、約900万円となっており、寄付金と会費は3件の獲得額の差が大きくなっている。
自治体文化財団の民間支援、寄付金、会費の状況
自治体文化財団の民間支援、寄付金、会費の状況のデータ
自治体文化財団の民間支援、寄付金、会費の状況のグラフ
Point2

オーケストラの民間支援の金額分布は、50万円~1,000万円未満が最多で、
寄付金は5,000万円以上が最多

オーケストラ33団体の民間支援と寄付金における金額の分布状況をみると、民間支援では50万円~1,000万円未満の間に18団体が該当し、最多となっている。中には1億円以上の民間支援を得ているオーケストラもあるのが実態である。寄付金については、5,000万円以上に11件が該当し最多となっている。しかし、民間支援について0円が7件、寄付金も0円が3件あり、獲得額に幅があることは否めない。
民間支援と寄付金のグラフ
Point3

自治体文化財団の寄付金獲得は、オーケストラに比べると極めて低い

民間支援と寄付金について、オーケストラの獲得金額の分布状況に自治体文化財団の平均値と中央値、最大値をあてはめると、0円、1円以上~1,000万円未満、1,000万円以上~3,000万円未満のところに該当する。特に寄付金については、5,000万円以上獲得しているオーケストラが全体の3分の1を占めることに比べると、自治体文化財団の獲得額は極めて低いのが実態である。
民間支援と寄付金のグラフ
[まとめ]
自治体文化財団の民間支援、寄付金、会費の状況は、その平均値は民間支援が約220万円、寄付金が約300万円、会費が約150万円で、中央値はすべて0円であるなか、最大値として約2,000万円~3,000万円のデータも抽出された。一方オーケストラでは、民間支援、寄付金は0円のところがありながらも、1億円以上の獲得もあり、特に寄付金の獲得規模が大きくなっている。
自治体文化財団の寄付金は、オーケストラと比較すると極めて低いのが実態であり、収入源の多様化を考える上での課題のひとつといえる。