Statistical Data統計データ

2012年度データ・収入
[分析]

自治体への財源依存度により抽出した
「最大値データ」「最小値データ」の収入の構成は
どうなっているのか?

自治体への財源面での依存度をみるための尺度として、指定管理料と自治体からの補助金・助成金の合算とその比率を算出した。ここでは、その自治体への財源依存度が最も高いデータと最も低いデータを、全財団と施設の指定管理の状況によるカテゴリー区分それぞれで抽出し、該当する個別データの収入の構成を把握する。
全財団(n=96)
カテゴリー①:1施設管理財団(n=26) カテゴリー②:複数施設管理財団(文化系)(n=13)
カテゴリー③:複数施設管理財団(文化以外)(n=57)
Point1

「最大値データ」では、全財団、カテゴリー区分いずれも事業収入の比率が高くなる

「最大値データ」に着目すると、全財団では収入に占める事業収入の比率が71.5%と多くを占めていることが分かる。また、それぞれのカテゴリー区分においても事業収入の比率が収入の半分以上を占めている。いずれのデータも収入における事業収入の比率が、指定管理料の比率を上回っていることが特徴となっている。
最大値データのグラフ
Point2

「最小値データ」では、全財団、カテゴリー区分いずれも指定管理料の比率が高くなる

一方「最小値データ」に着目すると、全財団、カテゴリー区分いずれでも指定管理料の収入に占める比率が極めて高いことが分かる。中には、指定管理料が収入の100%を占めている財団もあるのが実態である。
最小値データのグラフ
Point3

全財団の「最大値データ」「最小値データ」は
いずれもカテゴリー③から抽出されている

全財団における最大値、最小値のデータは、カテゴリー③から抽出されている。これは、文化以外も含めた複数の施設を管理する中で、事業を収入源として確保できるケースとそうではないケースの両極が含まれるためであると考えられる。
自治体への財源依存度により抽出した「最大値データ」収入の構成比率
自治体への財源依存度により抽出した「最大値データ」収入の構成比率のデータ
自治体からの財源依存度により抽出した「最小値データ」収入の構成比率
自治体からの財源依存度により抽出した「最小値データ」収入の構成比率のデータ
Point4

カテゴリー①と③の「最大値データ」においては
基本財産運用益・特定資産運用益の占める割合が高い

最大値データのカテゴリー①とカテゴリー③に注目すると、全体に占める基本財産運用益・特定資産運用益がそれぞれ16.3%、11.7%を占め、カテゴリー②と比較して高い比率となっている。
カテゴリー①②③の「最大値データ」のグラフ
[まとめ]
自治体への財源依存度の「最大値データ」「最小値データ」を比較して概観すると、それらの違いは、事業収入と指定管理料が占める比率の高低の違いに表れているといえる。最大値、最小値のデータはいずれもカテゴリー③から抽出されており、事業を収入源として確保できるケースとそうではないケースの両極が含まれていると考えられる。