Statistical Data統計データ

2012年度データ・収入
[分析]

施設の指定管理の状況に着目すると、
総収入の構成はどのような特徴がみられるのか?

ここでは2012年度の収入のデータから、自治体文化財団の総収入の内訳の構成比率を概観する。施設の指定管理の状況により分類したカテゴリー①、②、③ごとの傾向と、分類せずに集計した、施設の指定管理をしている財団全体(全財団)の特徴をみる。
全財団(n=96)
カテゴリー①:1施設管理財団(n=26) カテゴリー②:複数施設管理財団(文化系)(n=13)
カテゴリー③:複数施設管理財団(文化以外)(n=57)
Point1

指定管理料に依存しがちな傾向がみてとれる

全財団の総収入の構成を概観すると、指定管理料が59.7%と全体のほぼ60%を占めている状況が分かる。事業収入は約25%で補助金・助成金は約12%となっている。全体としてみると、収入源は指定管理料に依存していることが分かる。
全財団の総収入の内訳
(構成比率)
全財団の総収入の内訳(構成比率)のグラフ
Point2

特にカテゴリー③の指定管理料の比率が高く、カテゴリー②では低くなる

カテゴリーごとの特徴に注目すると、カテゴリー③では総収入に占める指定管理料の比率が64.5%と全財団でみた59.7%よりも高くなっており、より指定管理料に依存している傾向がみてとれる。
一方、カテゴリー②では指定管理料比率が47.7%と全財団と比較して低くなっている分、事業収入や補助金・助成金の占める比率が高くなっている。
総収入の内訳のグラフ
Point3

補助金・助成金は地方自治体からの支援が多くを占める

補助金・助成金は、全財団、カテゴリー区分いずれでも自治体からの支援が多くを占め、特にカテゴリー②では、20.7%と高くなっている。国(文化庁・芸術文化振興基金・その他)からの支援と、民間からの支援(助成財団及び一般企業からの支援)は極めて比率が低いのが実態である。
補助金・助成金の内訳
補助金・助成金の内訳のグラフ
[まとめ]
全財団、すなわち施設の指定管理をしている財団全体、及びカテゴリーごとの状況を概観すると、カテゴリーによる若干の傾向の違いはあるものの、全体的に総収入に占める指定管理料の比率が高いことが分かる。また、補助金・助成金に占める自治体からの支援の比率も高いことから、自治体文化財団は財源面において多くを地方自治体に依存している状況にあるといえる。