教育・研究

2025年04月03日

沼津市本通防火建築帯に関する資料の所蔵状況を調査しました

本学では、学外機関から依頼を受けて研究、調査を実施する受託研究を行っています。
その一環として、清水建設株式会社技術研究所様から依頼を受け、デザイン学部の西山雄大特任助手が沼津市本通防火建築帯に関する資料の所蔵状況の調査、現存する建築の記録及び同建築を紹介する展示企画を行いました。

沼津市本通防火建築帯とは

商店街に面した公共歩廊の上に「有階アーケード」が覆い重なる空間構成で、その後全国的に展開された防火建築帯の中でも類を見ない建築的特徴を有します。
2024年10月半ばから部分解体が進んでいますが、建設当時のステークホルダーの多さや関係図式の複雑さから、関連資料が分散しその全容が把握されていないというアーカイブス学的な課題を抱えています。
解体着工直前の沼津市本通防火建築帯と記録撮影の様子
解体着工直前の沼津市本通防火建築帯と記録撮影の様子
解体着工直前の沼津市本通防火建築帯と記録撮影の様子

 
本研究成果は、展示企画「写真と建築資料から辿る、沼津市本通防火建築帯の姿」(2025年3月14日から21日、ギャラリー)にて紹介させていただきました。現在は、本学学術リポジトリにて展示解説をご覧いただくことができます。

西山特任助手のコメント

先立って開催した展示企画には静岡県内外から多くの方々にご来場頂き、沼津市の戦災復興を代表する一大事業であり、かつ戦後モダニズム・ムーブメントの特徴をよく反映した沼津市本通防火建築帯の空間的な特徴やその成立プロセスを、広く知って頂く機会となりました。ポスターを制作してくれた丹羽あや特任助手をはじめ、他分野の先生方や学生たちの協力を得つつ、学内にギャラリーを持つ本学の強みを生かした企画を実施できました。
展示会場で紹介した資料は、必ずしも意識的に保管されていたわけではなく、偶然廃棄を免れて今日に至るものも少なからずありました。今回の資料調査や展示企画への協力依頼を通して、その歴史的な重要性や保存の必要性を資料管理者に直接訴えかける機会が得られたことは、関係資料の保全に向けた前進であったと言えます。
 

受託研究概要
沼津本通防火帯建築に関する建築資料の調査研究

【委託者】 清水建設株式会社技術研究所
【担当教員】 西山雄大特任助手(デザイン学部デザイン学科)
 

発行部署:地域連携室