オペラコンクール

2021年5月7日
静岡国際オペラコンクールは、静岡県ゆかりのプリマドンナ三浦環をたたえ、没後50周年にあたる1996年に第1回目としてスタートしています。昨年のNHK朝の連続テレビ小説「エール」に「双浦環」の名で少しの脚色を得て登場していましたね。三浦環は、蝶々夫人を2000回以上演じ、作曲者のジャコモ・プッチーニから「マダム・バタフライはマダム・ミウラのために作曲されたようなもの」と言わしめたとか。三浦環については、こちらに詳しくご紹介しています。
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コンクールは3年に1度、静岡県浜松市にあるアクトシティ浜松で開催されています。3つのステージで優勝を目指します。第1次予選では、ピアノ伴奏でアリアを2曲歌います。これで約50名から約20名になります。本選出場できるのは約6名。オーケストラ伴奏でアリアを2曲歌います。そしてその間にある第2次予選はこのコンクールならでは。ちょっと説明しますね。

まず出場者は、指定された86役(2020年に開催予定だったコンクールの場合)の中から自分の声にあった役を1つ選びます。第1次予選を通過した出場者には、第2次予選に臨む前日、自分が選んだ役が出てくるオペラ全体の中から第2次予選で歌う箇所(20分前後)を伝えられます。その箇所は1人で歌う部分とは限らず、二重唱や三重唱、時には合唱を伴ったりセリフの部分だったりします。それを、楽譜を見ずに1人で演じます。つまり、オペラ1曲がまるまる身体に染み付いていないと歌うことができません。これが「オペラコンクール」と名乗れる「ゆえん」なのです。86役は下記のようになっています。
全体の流れはこちらから。
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静岡国際オペラコンクール案内チラシ
オペラ歌手も人間、急病になることもあります。そんな時、若手歌手には大チャンス!大歌手の急場を救い、一気にブレイクなんてシンデレラストーリーもあるくらいです。かつてドイツの歌劇場に所属していた大歌手曰く、オフの日でも朝10時までは代役の連絡が来てもいい状態にしておいたそうです。専属歌劇場以外から突然のオファーがあることも多かったとか。ドイツ国内の劇場ネットワークは精度が高く、いつ頃どんな役を演じたかがリスト化されており、そのリストを参考にしてのオファーだったといいます。ぎりぎりに劇場に着いて、着替えて即本番なんてこともざらだったとか。10時を過ぎてようやく安心してオフを楽しんだとのことです。当日でも前日でもオファーがあったら歌えるレパートリーが必要なのです。