芸術家の魂
2021年09月27日
【ふじやまのぼる先生のオペラ講座(20)】かつての誇り高い芸術家は、自分がいかに世に評価されるかを気にしていました(いたはずです)。良い意味で自分が他の歌手より目立つことを優先し、なおかつ少しでも自分にとって不利益なことや弱みを、耳聡い聴衆に見せることを極端に嫌っていました。最近は、わがまま放題の芸術家は少なくなったようですが。そんな一例をご紹介しましょう。この二人の不世出の歌手については、「アイーダ」での共演を参考CDのところで紹介しましたね。実はこの二人、録音はそれぞれ数多く残されているのですが、ライバル関係にあったレコード会社の所属で、両者がそろって商業用の録音が残されたことはないのです