ヴェルディ作曲「ドン・カルロ」 Don Carlo vol.2

【ふじやまのぼる先生のオペラ解説(1)】

主な登場人物

主な登場人物

オペラ「ドン・カルロ」登場人物相関図

ドンカルロ相関図
第3幕 第1場 マドリードの城の王の一室
妻に愛されず息子にも裏切られたフィリッポは、アリア「一人寂しく眠ろう」を歌い、その心中を吐露する。現れた宗教裁判長に、フィリッポはカルロの処置を相談する(珍しいバスの二重唱)。カルロは死刑、ロドリーゴは異端と告げられる。ロドリーゴの命を差し出すよう求める宗教裁判長に対し、忠臣の命は与えられないと断るフィリッポ。宗教裁判長は、王とて宗教裁判には勝てぬと不気味な雰囲気を残して立ち去る。そこに慌てたエリザベッタが登場し、文箱が盗まれたと申し出る。その文箱は王の手中にあり、入っていたカルロの肖像画からカルロとの関係を追及される。潔白を訴えるエリザベッタの言葉もフィリッポの耳には入らない。エリザベッタは失神し、ロドリーゴとエボリが駆けつけ介抱する。フィリッポはロドリーゴを連れて去る。文箱を奪い、エリザベッタを罠にはめたのは嫉妬に狂ったエボリであった。良心の呵責に耐えられずエリザベッタに真実を打ち明け、もう1つの秘密、王との不倫関係も打ち明ける。エリザベッタ深く悲しみ、この国を離れるか、修道院に行くように言い残し、静かに去る。エボリは、アリア「呪わしき美貌」を歌い、思い上がった自分を悔い、その心情を吐露する。
第3幕 第2場 ドン・カルロの捕らえられている牢獄
カルロが捕らわれている牢にロドリーゴが訪ねてくる。ロドリーゴは、長大なアリア「私に最後の日が来た」を歌い、カルロに全てを任せ、死を決意する。その時銃声がし、ロドリーゴは倒れる。虫の息で、全てはエリザベッタに任せてあるから明晩サン・ジュスト修道院へ行くよう言い残し死ぬ。そこにフィリッポがやってきてカルロと話をしようとするが、カルロは反抗的な態度をとる。民衆がカルロ救出にやってくる。宗教裁判長の一喝で民衆はひれ伏す。カルロは、エボリの手引きで脱出する。
第4幕 サン・ジュスト修道院
修道院でエリザベッタは、アリア「世の虚しさを知る方よ」を歌い、自分の運命を悟る。そこへカルロが登場する。エリザベッタはロドリーゴからの遺言を伝え、フランドルに情熱を傾けるよう諭す。そして二人はこの世での愛は諦め、天国での再会を約束する二重唱を歌い上げる。そこにフィリッポと宗教裁判長が現れ、二人を捕らえるよう命じる。その時前王の墓が開きカルロ5世の王冠を被った修道士が現れ、カルロを墓の中に引きずり込む。エリザベッタは倒れ、みな驚愕のうちに幕となる。

聴いてみよう! 「世の虚しさを知る方よ」

アリア「世の虚しさを知る方よ」は、第6回コンクールで第3位とオーディエンス賞に輝いた髙橋絵理さんの歌う動画があります。昨年「ふじのくにオペラweek」でご紹介いたしました。
ぜひお聞きください。13分35秒くらいから、解説もあわせてどうぞ!

※下のバナーをクリックするとYouTubeの動画ページが開きます。
髙橋絵理さん インタビュー&アリア歌唱
自選役
このオペラからは、エリザベッタ、エボリ公女、フィリッポ2世、ロドリーゴの4役が、自選役リストに含まれています。

自選役リスト
新国立劇場での上演
5月20日、23日、26日、29日の4日間、新国立劇場オペラパレスで「ドン・カルロ」の上演があります。4幕イタリア語版による上演です。この上演には3名のコンクール入賞者が出演します。
第4回静岡国際オペラコンクール三浦環特別賞を受賞した髙田智宏さんは、「ロドリーゴ」を演じます。長年北ドイツのキール歌劇場の専属歌手を務め、2017年12月、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州から宮廷歌手の称号を得ています。2020年9月からは、南ドイツのカールスルーエにあるバーデン州立歌劇場専属歌手となりました。ロドリーゴはキールでも歌っていました。どんな表現で臨むのか、今から楽しみです。
第5回コンクールで3冠つまり、第1位、三浦環特別賞、オーディエンス賞に輝いた光岡暁恵さんが「天よりの声」を務めます。異端により火刑にされた人々の魂に向けて、天からの救いの声を歌います。藤原歌劇団で主役を務める光岡さんの声は、魂を浄化する透き通った声にぴったりですが、なんとも贅沢な配役だと思います。
第8回コンクール三浦環特別賞の城宏憲さんは、「レルマ伯爵」と「王室の布告者」を歌います。二期会等で主役を歌う城さんが歌うには物足りない役ですが、オーケストラがピタリと鳴り止んだ後、アカペラで歌う場面があります。きっと存在感を示してくれることでしょう。

聴いてみよう!


光岡さんと城さんの人となりと歌唱は、同じく「ふじのくオペラweek」でご紹介いたしました。まだ未聴のかたはぜひこちらから。

光岡暁恵さんインタビュー&アリア歌唱


城宏憲さんインタビュー&アリア歌唱
こちらは新国立劇場のホームページ

参考CD

オペラ紹介とともに、参考CDをご紹介いたします。先生の独断と偏見で選ぶものですので、「ベスト!」と言い切れるものではありません。「こんなCDがあるんだよ」程度に参考にしてくださいね。
 
先生はこのオペラが好きなので、いろいろなCDを持っています。おすすめはいろいろあるのですが、よく聴くCDを3つをご紹介します。
 
ウィーン国立歌劇場のライヴ録音をまず2つ。ウィーンでは、4幕イタリア語版と5幕フランス語版が上演できる態勢になっていて、日替わりで上演していた時もありました。
 
4幕イタリア語版
ウィーン国立歌劇場のライヴ録音です。ドイツ音楽やドイツオペラを得意とし、NHK交響楽団をよく振っていたホルスト・シュタイン氏の珍しいイタリアオペラです。グンドゥラ・ヤノヴィッツの清楚な中にも芯のあるエリザベッタがとても素晴らしく、何といってもオーケストラの深い響きが印象的な録音です。ここで演奏しているウィーン国立歌劇場管弦楽団のメンバーで組織されているのが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。ですから、ほぼウィーン・フィルの演奏です!王妃の小姓役に、若き日のエディタ・グルベローヴァが出ています。


5幕フランス語版
こちらもウィーン国立歌劇場のライヴ録音です。ヴェルディが最も初めに意図した形が再現されています。CDも4枚、約250分(4時間10分)!これでも、実際の公演から、映像がないと意味をなさない部分は省かれています。先生は、ロドリーゴ(フランス語ではロドリーグ)のボー・スコウフスの歌唱が印象的に残っています。このCDの省かれた部分をすべて収めたDVDが販売されています。が、初心者にはお勧めしません。音だけでお楽しみくださいね。


4幕イタリア語版
超超超豪華版による録音です。ほぼ同じメンバーによる公演が、1975年から数年にわたりザルツブルクで行われたといいますから、ご覧になった方は超ラッキーかと思います。このころのザルツブルク音楽祭は、チケットを手に入れるのが至難の業だったそうです。本当にドリームキャスト。主役から端役に至るまで隙がありません。オーケストラも、手兵ベルリン・フィル。さすがカラヤン!

 

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