言葉がわからない…(3)

【ふじやまのぼる先生のオペラ講座(18)】
原語での上演がスタンダードになりましたが、やっぱりわからないものはわからないですよね。

言葉がわかりたい!

テキスト販売
事前に歌われる歌詞がわかっていると、とてもありがたいです。新作オペラの楽譜を出版するときに、一緒に歌詞(リブレットと呼ばれます)も販売されていました。また上演するオペラのリブレットを、事前に販売する劇場もあります。
ドイツ生まれの作曲家ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759)は、後半生をイギリスで過ごします。彼は、イギリスで多くのイタリア語のオペラと、英語のオラトリオ(オラトリオとは、聖書を題材にとった独唱、合唱、管弦楽からなる大規模な作品のことです。有名な「ハレルヤ」もオラトリオの一部です。)を作曲、初演しています。当時のイギリス国民はイタリア語を理解していたわけではなく、イタリア語の歌詞とそれを英訳したリブレットを事前に購入し、読んでから劇場に行ったと思われます。当時の劇場は、字が読めるくらいの明度がありました。もっとも、上演中客席の照明を暗くするようになったのは、20世紀に入ってからのことと言われています。ちなみに後年ヘンデルはイギリスに帰化し、名前を英語読みのジョージ・フレデリック・ハンドルとし、イギリス人として生涯を閉じています。
現在オペラのCDを買うと、多くの場合は、歌われる言語と英語訳とが解説書に含まれていることが多いです。また、日本語訳がついているCDもあります。このような日本語訳のついているCDを見かけたら、購入されることをお勧めします。オペラのCD、いやクラシックのCDは、あまり長く市場に出回っていません。珍しいオペラは早めに入手されるとよいと思います。有名なオペラは、テキストが言語と日本語訳の両方を掲載した書籍が販売されています。ヘンデルの時代とそう大差はありませんね。
先生がドイツのケルン歌劇場でヒンデミットの「今日のニュース」というオペラを観たとき、テキストが販売されていました。これはドイツ語のオペラでしたので、ドイツ語(原語)の歌詞のみでしたが、たったの1マルク!当時の日本円で75円ほど。新作オペラではありませんでしたが、上演が珍しかったので皆さん購入されていました。先生は、チケット売り場で親しくなったドイツ人のお兄さんに買ってもらいました。外国語のオペラを上演する際に、プログラムに歌詞を上演する劇場の国の言葉に訳したものを、全文掲載している劇場もあります。
ケルン歌劇場のテキスト
ケルンリブレット
ウィーン国立歌劇場で1998年12月26日に上演されたヴェルディの「エルナーニ」のテキスト(右)と配役表(左:指揮は小澤征爾)です。「エルナーニ」には、よく歌われるアリアも含まれているのですが全曲上演はそう多くなく、ウィーン国立歌劇場では73年振りに上演されました。そのためか、ドイツ語訳のテキストがプログラムに付けられていました。もっとも2002年5月の上演を最後に、その後は取り上げられていません。
エルナーニ