オペラコンクール予備審査

5月1日に、第9回静岡国際オペラコンクールの応募が締め切られました。その結果、33の国と地域から、271名の応募がありました。前回が191名だったので大幅に増加しました。今回のコンクールは、本来であれば、2020年に開催予定だったのですが、御多分に漏れずコロナ禍により3年延期しました。コンクールには年齢制限があります。2020年に出場できた歌手の方にも門戸を開こうと、今回のみ3歳上限を上げ、36歳までとしました。これも増加の一因でしょう。といっても、271名全員は浜松へお呼びできないので、まず予備審査を行います。
予備審査とは
応募を考えている歌手の方には、コンクールで歌いたい曲目リストとともに、2曲のアリアの録音を提出してもらいます。これは、音声のみで、映像はありません。映像だと、純粋に声や音楽の良し悪しだけではなく、見た目による先入観を持ってしまうことがあります。そのため、静岡国際オペラコンクールでは、創設当初から音声のみによる審査を行ってきました。
今回は、6月5日から8日の4日間日本人の審査委員4名にお願いし、提出された音源を聴いていただきました。審査委員の先生方には、名前や国籍は一切知らせずに、「音」のみで審査をお願いしています。公平公正な審査を行うため、先生方はとてもお疲れになったことと思います。
先生も審査に立ち会ったのですが、33の国と地域から応募があったので、録音状態や共演するピアニスト、オーケストラなど多種多様なものがありました。スタジオを借りて入念に準備されたもの、晴れ舞台のライヴ録音、あまり残響のないもの、残響が大きいもの、本当に色々な録音状態でした。お風呂で歌を歌うと、エコーがかかって上手く聞こえる、そんな経験がみなさんにもあると思います。そんな思惑からか、残響がかかりすぎていて何を言っているのかわからない録音もありました。応募要項には「過度の残響のあるものは、失格となる場合もある。」と明記しています。
厳正なる審査の結果、15か国の76名が参加承認されました。今後色々な手続きを経て、10月末には若きオペラ歌手を浜松に迎えることになります。
コンクールの日程については、こちらをご参照くださいね。
第9回静岡国際オペラコンクール「スケジュール」(静岡国際オペラコンクール公式ウェブサイト)
https://www.suac.ac.jp/opera/competition/schedule/
会場となるアクトシティ浜松ロビーに置かれた出場者ボード(第8回コンクールより)
第1次予選に臨む出場者の顔写真を掲示