審査委員

エヴァ・メイ

エヴァ・メイ

イタリア/ソプラノ、ミラノ・スカラ座客員教授、フィレンツェ音楽院アカデミー客員教授

イタリアの音楽一家の娘であるエヴァ・メイは、フィレンツェのルイージ・ケルビーニ音楽院で学ぶ。モーツァルトの「後宮からの逃走」におけるコンスタンツェ役への解釈が評価され、1990年ウィーンで開催されたモーツァルト国際コンクールでカテリーナ・カヴァリエーリ賞を受賞。その直後、ウィーン国立歌劇場にて同役でデビューし、国際的なキャリアをスタートさせた。この20年間、世界中の主要なオペラハウスで出演を続けている。

エヴァ・メイはベッリーニ、ロッシーニ、ドニゼッティ、ヴェルディなどのイタリア・ベルカント作品だけではなく、モーツァルトの主役のほとんどをレパートリーとして持っている。主な出演としては、「ドン・パスクワーレ」ノリーナ(ミラノ・スカラ座)、「タンクレディ」アメナイーデ(ミラノ・スカラ座)、「魔笛」夜の女王(ロンドン コヴェント・ガーデン王立歌劇場)、「椿姫」ヴィオレッタ(ベルリン国立歌劇場)が挙げられる。また、チューリッヒ歌劇場とは強い関係を保っており、「アルチーナ」アルチーナ、「ドン・ジョヴァンニ」ドンナ・アンナ、「フィガロの結婚」伯爵夫人、「アンナ・ボレーナ」アンナ・ボレーナ、「カルメン」ミカエラ、「ウィリアム・テル」マティルドなどを演じている。2012年には、ザルツブルク音楽祭でモーツァルト「羊飼いの王様」エリーザで出演。その2年後はザルツブルクに戻り、アントニオ・パッパーノ指揮によるロッシーニ「小荘厳ミサ曲」を演奏した。

その他、ニコラウス・アーノンクール、クラウディオ・アバド、ズービン・メータ、リッカルド・ムーティ、コリン・デイヴィス、ダニエル・バレンボイム、ロリン・マゼール、フランツ・ウェルザー=メスト、ウィリアム・クリスティ、ダニエレ・ガッティ、ファビオ・ルイージ、チョン・ミョンフン、アントニオ・パッパーノ、ジョナサン・ノットなど、多くの一流指揮者と共演。
オペラのキャリアに加え、室内楽や交響曲のレパートリーにも積極的に取り組み、ウィーン・コンツェルトハウス(オーストリア)、サル・プレイエル(パリ)、サントリーホール(東京)などの主要なコンサートホールでコンサートやリサイタルを開催。

【最近の活動】
「ファルスタッフ」アリーチェ ハンベルク交響楽団、ルツェン音楽祭、ヴェルディ劇場、ミラノ・スカラ座(ダミエレ・ガッティ指揮)、サン・カルロ劇場、ブタペスト(イヴァン・フィッシャー指揮)、新国立劇場(東京)
「フィガロの結婚」伯爵夫人 レージョ劇場、テアトロ・ヴァッレ、新国立劇場(東京)
「ノルマ」アダルジーサ モンテカルロ歌劇場
「ドン・ジョヴァンニ」ドンナ・アンナ パルマ音楽祭
ベートーヴェン「交響曲第9番」 ミラノ・スカラ座管弦楽団(チョンミョンフン指揮:ソウル・上海)
「ロズモンダ・ディンギルテッラ」レオノーラ フィレンツェ歌劇場
「仮面舞踏会」オスカル カリアリ劇場
「こうもり(新演出)」ロザリンデ ミラノ・スカラ座(ズービン・メータ指揮)
「皇帝ティートの慈悲」ヴィッテリア ソフィア王妃芸術宮殿
「エジプトのヘレナ」アイトラ ミラノ・スカラ座

この他、日本やカリアリなどでコンサートを行っている。
後進の指導者として、スカラ座研修所、フィレンツェ音楽院アカデミー客員教授を務めるほか、イタリアや日本をはじめとした世界各地でマスタークラスを開催している。