審査委員

ヴェッセリーナ・カサロヴァ

ヴェッセリーナ・カサロヴァ

ブルガリア/メゾソプラノ

ヴェッセリーナ・カサロヴァはブルガリアのスタラ・ザゴラに生まれ、4歳でピアノを始める。コンサートピアニストとしての訓練を受け学位を取得後、ソフィア音楽アカデミーでレッサ・コレヴァに声楽を学び、学生時代から国立歌劇場で主要な役柄を歌っている。

1989年にチューリッヒ歌劇場に採用され、すぐに観客の人気者となり、国際的なマスコミから「素晴らしい発見」と賞賛される。同年、ドイツの国際コンクール「ノイエ・シュティンメン」で優勝。2年後、ヴェッセリーナ・カサロヴァはザルツブルク音楽祭でデビューを果たし、モーツァルテウムで2回のマチネ公演に出演、サー・コリン・デイヴィス指揮の『皇帝ティートの慈悲』ではアンニオ役を演じた。同年秋、ウィーン国立歌劇場でロジーナ役を演じ、絶賛を浴びてデビューを果たした。

【主要なレパートリー、劇場等】
モーツァルト作品:『コジ・ファン・トゥッテ』ドラベッラ、『ドン・ジョヴァンニ』ツェルリーナ、『イドメネオ』イダマンテ、『皇帝ティートの慈悲』セスト、『ポンテの王ミトリダーテ』ファルナーチェ。
ヘンデル作品:『アルチーナ』ルッジェーロ、『アリオダンテ』アリオダンテ、 『アグリッピーナ』アグリッピーナ。
ベルカント作品:『セビリアの理髪師』ロジーナ、『チェネレントラ』アンジェリーナ、『アルジェのイタリア女』イザッベラ、『カプレーティ家とモンテッキ家』ロメオ、 『アンナ・ボレーナ』ジョヴァンナ。
フランス作品:『ウェルテル』シャルロット、『ファウストの劫罰』マルグリート、『ファヴォリータ』レオノーラ、『サムソンとデリラ』デリラ、『カルメン』カルメン。
主要な歌劇場及び音楽祭:ジュネーヴ大劇場、ロイヤル・オペラ・ハウス、リセウ大劇場、ベルリン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場、パリ国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、シカゴ・リリック・オペラ、メトロポリタン歌劇場、サンフランシスコ・オペラ、チューリッヒ歌劇場、ヘット・ムジークシアター、ドレスデンのゼンパーオーパー(ドレスデン国立歌劇場)、ハンブルク国立歌劇場、テアトロ・レアル、ケルン歌劇場、ザルツブルク音楽祭、マッジョ・ムジカーレ、ペザーロ・ロッシーニ・オペラ・フェスティバル 他
ヴェッセリーナ・カサロヴァは、ニコラウス・アーノンクール、サー・コリン・デイヴィス、ピンカス・スタインバーグ、ドナルド・ラニクルズ、ダニエル・バレンボイム、 ファビオ・ルイージ、リッカルド・ムーティ、小澤征爾、サー・ロジャー・ノリントン、アイヴァー・ボルトン、セミョン・ビシュコフ、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、フランツ・ウェルザー=メスト、ズービン・メータ、ロッセン・ミラノフ、ハリー・ビケット、アントニオ・パッパーノ、アンドリス・ネルソンス、ウラジーミル・フェドセーエフ、サー・ジョン・エリオット・ガーディナー、マーク・ミンコフスキーなどの著名な指揮者と共演している。

また、ヨーロッパ、アメリカ、日本でコンサートやリサイタルを行っている。

録音では、オペラ全曲録音(『タンクレディ』、『ウェルテル』、『カプレーティ家とモンテッキ家』、『ファヴォリータ』、『チェネレントラ』、『皇帝ティートの慈悲』、『ポルトガルの王ドン・セバスティアン』)や、さまざまなリサイタルがあり、数々の賞を受賞している。

ヴェッセリーナ・カサロヴァは、ミュンヘン・バイエルン州立歌劇場(2005年7月)およびウィーン国立歌劇場(2010年5月)でカンマーゼンガー(宮廷歌手)の称号を授与されている。