オペラを観に行こう!(1)

2021年10月15日
【ふじやまのぼる先生のオペラ講座(21)】

スマートに鑑賞するために

初めてオペラを観るんだけど、どうしたらいいの?と思っている人が意外に多いのです。そんなに気を使う必要はありませんが、いくつかのポイントを押さえておけば、そんなに身構える必要はなくなります。また、総合芸術と言われるオペラ。音楽、ストーリー、衣装、舞台装置など、いろいろな要素が詰まっています。皆さんなりの楽しみ方がきっと見つかります。ちょっと長くなりますが、読んでみてくださいね。
 

1. チケットを選ぼう

Q. チケットはどうやって買えばいいですか。
A. 会場のホールや主催団体、大手チケット販売会社などで買えます。
観たいオペラが決まったら、チケットを買いましょう。会場のホールや主催団体、大手チケット販売会社などで買うことができます。チケットはいくつかのランクに分かれていますので、懐具合に合わせて購入しましょう。インターネットでのチケット購入サイトによっては、席の場所を選んで購入できるシステムもあります。「最前列がいい」とか、「通路側の席がいい」など、慣れてくると自分のお気に入りのポジションが見つかります。
チケットのイメージ画像
Q. おすすめの席はありますか。
A. 舞台全体が見渡せる正面の2階席か3階席がおすすめです。
オペラは音楽だけではなく衣装や舞台上の大道具・小道具など、見どころがたくさんあります。歌手に注目したいということであれば、1階席が良いでしょう。発声の様子まで、よく見ることができます。舞台よりも音という人は、なるべく上の階が良いでしょう。音は上に上がっていく性質があります。先生のお気に入りは、正面3階席の最前列、通路側の席です。
アクトシティ浜松大ホール
静岡国際オペラコンクールが開催される「アクトシティ浜松大ホール」

2. 当日会場に行こう

Q. 何か気をつけることはありますか。
A. 食事や飲み物に少し気を遣うと良いかもしれません。
食事や飲み物に少し気を遣うと良いかもしれません。土曜日の14時開演のオペラの場合。「ついコーヒーや紅茶、奮発してワインを飲んでしまって、公演中トイレを我慢して鑑賞どころではなかった」ということにならないよう、お昼ご飯のメニューやドリンクには少しだけ気を遣いましょう。ワーグナーの作品では、最初の休憩まで2時間かかるものもあります。また1幕物で2時間半というものも。しかし絶食絶飲はお勧めしません。音楽と一緒におなかも合奏を始めることになります。
Q. どんな服装で行けばいいですか。
A. 少しキレイ目な格好でお出かけするのがよいでしょう。
日本のオペラの場合、特に気を遣う必要はありませんが、タンクトップにハーフパンツ、ビーサンはお勧めしません。いつもと違う日常を楽しみたいのであれば、ちょっとおしゃれして出かけるのがよいでしょう。着物姿の女性や羽織袴の紳士も時々見かけます。ウィーンで着物姿の妙齢な女性の隣席になったことがありましたが、多くの方に写真をせがまれていました。購入したチケットの値段に合わせるというのも1つの方法です。安い席に蝶ネクタイでは浮きますし、高い席にジーンズでは白い目で見られかねません。ちょっとキレイ目な格好でお出かけするのがよいでしょう。
Q. 時間を気にする必要はありますか。
A. 少なくとも開演10分前には着席しましょう。
開場は開演の30分~1時間前です。少なくとも開演10分前には席に座っていて、のんびりプログラムを眺めるのがよいでしょう。逆算して家を出る時間を考えてみてはいかがでしょうか。新国立劇場のプログラムは1,000円でした。海外のオペラハウスの引っ越し公演などは3,000円もする立派なプログラムが販売されることも。出演者のプロフィールや作品解説、演出家の意図など、今後の参考になる部分が多いかと思います。鑑賞の記念にいかがですか。
早めに着席しましょう
会場に着いてからは、次回の記事でお伝えします。