演奏会形式って?

【ふじやまのぼる先生のオペラ講座(33)】
劇場でオペラを上演する場合、歌手は衣装を着け、街並みや建物、風景などの大掛かりな舞台背景の前で、小道具を用いながら、演技をつけて行うものだと思います。膨大なお金がかかりますね。
それに対して「演奏会形式」という上演方法があります。今回はその特徴をいくつかご紹介いたします。

演奏会形式の特徴

・歌手はタキシードやドレスなどを着て現れ、その役に応じた衣装を着ることはありません。
オペラ歌手(女性)のイラスト
・大掛かりな舞台背景を用いず、いつもはオーケストラピットで演奏しているオーケストラも、ステージ上に現れます。
・歌手は、多少の動き(演技)をつけて歌うことはありますが、基本的には自分の歌いやすい姿勢で歌うことができます。
・公演により異なりますが、多くの場合、ステージの一番客席側、つまり指揮者の左右に歌手が並び、譜面台に楽譜を載せて歌います。
良い点、良くない点がありますのでこちらもいくつか。

演奏会形式の良い点

オペラ歌手(男性)のイラスト
音楽に集中できる
基本的に歌手は演技をしないので、音楽だけに集中して鑑賞することができます。
オーケストラ好きにも楽しめる
ステージ上にオーケストラがいるので、オーケストラの動きや、楽器間のメロディーの受け渡しなど、楽しむことができます。

×演奏会形式の良くない点

場面が想像しづらい
基本的に演技をせずに歌うので、今どんな場面なのか、想像するのが難しい。
舞台上演」も「演奏会形式」も立派なオペラ上演です。チケットをお求めになるとき、どんな上演形態なのか、ご確認をお忘れなく。