ヴェルディ作曲「椿姫」La traviata(歌詞:イタリア語) Vol.2

【ふじやまのぼる先生のオペラ解説(8)】
初演:1853年3月6日 ヴェネツィア フェニーチェ劇場

主な登場人物

登場人物一覧

登場人物相関図

登場人物相関図

あらすじ(つづき)

第3幕 パリ ヴィオレッタのさびれた屋根裏部屋 2月カーニバルのころ
不治の病に侵されたヴィオレッタが臥せっている。訪れた医者は「回復は遠くない」と彼女を慰めるが、女中には「もう長くはない」と告げる。パリはカーニバルの真っ最中。死期を悟ったヴィオレッタは、今残っているお金の半分を貧しい人にあげるよう女中に持って行かせる。一人になった彼女は、ジェルモンから届いた手紙を読む。そこには決闘後のアルフレードとドゥフォール男爵の様子や、アルフレードが許しを請いに来るという内容が認められていた。しかし今の自分の病状を知る彼女は、アリア「さらば過ぎし日よ」を歌い、現状を嘆き、楽しかった昔を思い出す。外からはカーニバルの賑やかな音楽が聞こえてくる。そこに女中が飛び込んできて、アルフレードの訪問を告げる。喜びに満ち溢れ、許しを請うアルフレードと二重唱「パリを離れて」を歌う。また田舎生活を始めようというアルフレード。嬉しさに服を着て外出しようとするヴィオレッタだが、今の体はそれを許さない。その病状に驚いたアルフレードは、女中に医者を呼びに行かせる。必死に生きようと立ち上がるヴィオレッタだが、また長椅子に倒れこんでしまう。そこにジェルモンが医者とともに駆け付け、自責の念に駆られながら二人の仲を許す。ヴィオレッタは自分の肖像画を取り出し、アルフレードに託し、「あなたのことを好きになった清らかな人に、天国から二人のことを見守っている人がいること」を告げてほしいと言う。その後一瞬ヴィオレッタは、苦しみがなくなり、生きる喜びを感じる。しかし病魔は彼女の喜びを奪い、アルフレードの胸に抱かれながらヴィオレッタは死ぬ。

初演と今日の評価

フェニーチェ劇場で行われた初演は大失敗であったと伝えられています。不調のアルフレード、やる気のないジェルモン(確かに1幕では全く出番がない)。何より声は素晴らしいが、同じぐらい素晴らしい体格を持ったヴィオレッタ。肺病で死ぬ終幕では失笑がこぼれたと言います。ヴェルディの言葉です。「《椿姫》は失敗でした。僕が悪いのか、それとも歌手が悪いのか?時が経てばはっきりすることでしょう」。実際1年後、同じヴェネツィアのサン・ベネデット劇場で行われた再演では高い評価を受け、見事復活しています。

題名の「ラ・トラヴィアータ」とは、「道を踏み外した女」という意味です。ヴィオレッタは、「すみれ」の意味です。本来ならば「すみれ姫?」椿は?これはデュマ・フィスの原作が「椿の花の貴婦人」という題名だったので、日本では「椿姫」と呼ばれています。1幕でヴオレッタがアルフレードに渡す花が椿です。

参考CD

亡霊となるくらいファンに浸透していたマリア・カラスの「ヴィオレッタ」。少なくとも7種類の全曲録音を残しています、その中から2つ。
参考CD(1)
指揮:カルロ・マリア・ジュリーニ
ヴィオレッタ:マリア・カラス ほか(1955年録音)
1956年にスカラ座に登場したCDも残されていますが、このCDのほうが豪華で緊張感にあふれています。CDでは演出は見えないですが、映画監督としても知られる名匠ルキーノ・ヴィスコンティ(1906-1979)の演出で、会場の熱気までが伝わってくるような演奏です。
マリアカラスCD
参考CD(2)
指揮:フランコ・ギオーネ
ヴィオレッタ:マリア・カラス ほか(1958年録音)
ポルトガルの首都リスボンにあるサン・カルロス歌劇場のライヴ録音です。上記の録音もこちらも半世紀以上前のものなので、雑音がありますが、熱気はすごく伝わってきます。アルフレード・クラウス(1927-1999)のアルフレードも素晴らしく、名盤の1つに数えられています。先生は個人的にガストーネ子爵を歌っているピエロ・デ・パルマ(1925-2013)の気品のある歌いぶりが大好きで、このコーナーでも紹介しているCDの多くに、脇役として登場しています。名盤のあるところパルマあり。
カラス&ギオーネ
オペラの年代を分けるとき「カラス以前」と「カラス以後」という分け方があるくらい、カラスの存在は大きかった。小粒にはなりますが、あと2つ。
参考CD(3)
指揮:カルロス・クライバー
ヴィオレッタ:イレアナ・コトルバシュ ほか(1976,1977年録音)
何といっても、カルロス・クライバー(1930-2004)のはじけるような指揮が聴きもののCDです。オーケストラはミュンヘンのバイエルン国立歌劇場管弦楽団。
クライバー
参考CD(4)
指揮:リッカルド・ムーティ
ヴィオレッタ:ティツィアーナ・ファッブリツィーニ 他(1992年録音)
スカラ座で復活上演したムーティ指揮のCDです。復活の年のものではありませんが、ムーティの気合は伝わってきます。ムーティは楽譜に忠実な人。楽譜にない音や、カットしての上演を厳しく禁じました。
カヴァーニ

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