ヴェルディ作曲「仮面舞踏会」 Un ballo in maschera(歌詞:イタリア語)vol.1

【ふじやまのぼる先生のオペラ解説(24)】
初演:1859年2月17日 ローマ アポッロ劇場

主な登場人物

登場人物一覧

登場人物相関図

登場人物相関図

あらすじ

第1幕第1場 ボストン総督官邸内の広間 
側近有力者たちが、朝の謁見を待っている。中にはリッカルドのことをよく思っていない一部の離反者も混じっている。
リッカルドが登場、オスカル仮面舞踏会の招待者リストを彼に見せる。リッカルドはその中にアメーリアの名前を見つけ、「再びあの人に会える」と秘めた思いを歌う。
皆を退席させたところへ秘書レナートが現れる。彼は、リッカルドの憂いを含んだ表情を見て、心配の種は知っていると言う。リッカルドは、「彼の妻への思いが知れたか」と心配するが、レナートは「離反者の企てを心配している」と答えるので一笑に付す。これに対しレナートはアリア「あなたの生命には」で、リッカルドへの忠誠と心配を歌う。
そこへ、占い師ウルリカがよからぬ予言をして人心を惑わしているとの訴えが届く。オスカルは「輝く星をごらんなさい」を歌い、ウルリカの占いはよく当たると擁護する。ウルリカに興味を持ったリッカルドは皆を呼び戻し、変装してウルリカのもとへ行くことにする。心配するレナート。好機到来と喜ぶ離反者たち。
第1幕第2場 郊外にあるウルリカの家 深夜
怪しげな庵でウルリカは呪文の歌「地獄の王よ、急ぎ賜え」を歌い、神託を待っている。そこに漁師の姿をしたリッカルドが現れる。まず占ってもらうのは水夫。15年の苦労が報われるかどうか。ウルリカは「昇進と金が手に入る」と占う。リッカルドは「士官に昇進」と辞令を書き、金とともにこっそり彼のポケットに入れる。それを見つけた水夫は大喜び、皆は占いの正しさに驚く。
水夫が出て行った後、秘密のドアから占いを依頼する声がする。ウルリカは皆を退出させ、依頼者を招き入れる。それはアメーリアだった。リッカルドはそれに気付き、部屋の隅に隠れる。アメーリアは「道ならぬ恋を忘れ、心の平安」を得る方法を尋ねる。ウルリカは「真夜中、絞首台のある場所に行き、魔法の草を摘め」と告げる。アメーリアは今夜行くと言い残し去る。
ウルリカが皆を招き入れる。リッカルドの手相を見て、親しい友人に殺されると告げる。「誰に?」と聞くリッカルドに、「最初に握手する人」と答えるウルリカ。皆握手しようとしない。そこに遅れてやって来たレナートが現れ、リッカルドの差し出した手と握手してしまう。「こんなに忠実な友に殺されるはずがない」と皆安心し、リッカルドはウルリカに金を払う。皆がリッカルドを讃える合唱で幕となる。
握手のイラスト
第2幕 絞首台のある丘 真夜中
アメーリアが人目を忍んで現れる。アリア「あの草を摘みとって」を歌い静かに神に祈りを捧げる。突然リッカルドが現れ、驚くアメーリアに切々と愛を訴える。彼女は抗いきれず、愛の二重唱「この胸はときめき」を歌う。
そのときリッカルドのことを心配したレナートが、「近くに離反者がいる」とやってくる。リッカルドはレナートに「この貴婦人のヴェールを取らずに街まで送ってほしい」と頼み去る。
離反者たちが現れるが、リッカルドが去った後なので、彼の情婦の顔を拝もうとレナートと争いになる。アメーリアは割って入るが、ヴェールが取れてしまう。離反者たちは、「誘惑された自分の妻をかばうとは」とレナートを侮辱する。レナートは離反者たちに「明日自分の館へ来るよう」言い残し、アメーリアと街へ去る。

自選役

このオペラからは、アメーリアリッカルドの2役が、静岡国際オペラコンクール第2次予選自選役リストに含まれています。

「仮面舞踏会」の今後の上演

DOT Operaによる公演
2022年8月16日(火曜日)
たましんRISURUホール(立川市市民会館)大ホール
DOT Operaは、ソプラノの百々あずささん「D」、ピアニストの小埜寺美樹さん「O」、メゾソプラノの鳥木弥生さん「T」の頭文字を冠して「DOT Opera」と言うんだとか。小埜寺さんは、コンクールにもなじみのピアニスト。また、今回の公演には第4回静岡国際オペラコンクールで三浦環特別賞を受賞した髙田智宏さんがレナート役で出演します。詳細は下記URLをご参照ください。
受賞当時の髙田さんの写真
髙田智宏
(※受賞当時)
公益財団法人立川市地域文化振興財団ウェブサイト
https://www.tachikawa-chiikibunka.or.jp/a31-20220816/
「DOT Opera」 twitterアカウント
@dot_opera_
 https://twitter.com/dot_opera_
次回第3幕をお届けします。