【ふじやまのぼる先生のオペラ解説(34)】
メデアvsジャゾーネ
メデアに関するオペラは、古くから作曲されてきました。音楽史上で名の知れている作曲家によるオペラをいくつかご紹介いたします。
(1)作曲:フランチェスコ・カヴァッリ(1602-1676)
題名:ジャゾーネ(1649年初演)
オペラ黎明期のヴェネツィアで初演された、メデアを題材とした初のオペラです。メデアは子どもを殺すことなく、別の愛に目覚め、ハッピーエンドで終わります。10種類以上の異なった楽譜が出版され、当時の人気の高さがうかがえる作品です。
題名:ジャゾーネ(1649年初演)
オペラ黎明期のヴェネツィアで初演された、メデアを題材とした初のオペラです。メデアは子どもを殺すことなく、別の愛に目覚め、ハッピーエンドで終わります。10種類以上の異なった楽譜が出版され、当時の人気の高さがうかがえる作品です。
(2)作曲:マルカントワーヌ・シャルパンティエ(1643-1704)
題名:メデ(1693年初演)
「テ・デウム」で有名な、M.シャルパンティエの代表作です。こちらは、ピエール・コルネイユの弟トマ・コルネイユ(1625-1709)の台本によるものです。メデア(メデ)が妖術使いであることがいかんなく発揮されている作品です。グラウチェに当たるクレユーズを死に至らしめるのは、内掛けなどではなく魔法の杖。ケルビーニの「メデア」では、グラウチェが死ぬ場面は描かれず、いわゆる「ナレ死(ナレーションが死んだことを告げる)」的に語られるだけでしたが、ここでは、クレユーズがもだえ苦しんで死ぬ場面も鮮明に描かれています。最後、メデは自殺などせず、コリントを焼け野原にして、竜に乗って飛び去るという結末。なんともスペクタクル要素満載のオペラです。指揮者ウィリアム・クリスティは、過去にもこの作品を録音していますが、リベンジ的二回目の録音です。
題名:メデ(1693年初演)
「テ・デウム」で有名な、M.シャルパンティエの代表作です。こちらは、ピエール・コルネイユの弟トマ・コルネイユ(1625-1709)の台本によるものです。メデア(メデ)が妖術使いであることがいかんなく発揮されている作品です。グラウチェに当たるクレユーズを死に至らしめるのは、内掛けなどではなく魔法の杖。ケルビーニの「メデア」では、グラウチェが死ぬ場面は描かれず、いわゆる「ナレ死(ナレーションが死んだことを告げる)」的に語られるだけでしたが、ここでは、クレユーズがもだえ苦しんで死ぬ場面も鮮明に描かれています。最後、メデは自殺などせず、コリントを焼け野原にして、竜に乗って飛び去るという結末。なんともスペクタクル要素満載のオペラです。指揮者ウィリアム・クリスティは、過去にもこの作品を録音していますが、リベンジ的二回目の録音です。
(3)作曲:シモーネ・マイール(1763-1845)
題名:コリントのメデア(1813年初演)
マイールはドイツ生まれですが、イタリアで活躍した作曲家です。歌詞はイタリア語です。メデアが「内掛け」を作るアリア「古代の夜」が、ケルビーニにはない良い味を出しています。グラウチェに当たるクレウサには婚約者(アテネ王)がいて、メデアと手を組み、ジャゾーネへの復讐を誓うという四角関係が築かれています。この作品も最後メデアは死なず、竜の曳く車に乗って、天高く飛び去ります。
題名:コリントのメデア(1813年初演)
マイールはドイツ生まれですが、イタリアで活躍した作曲家です。歌詞はイタリア語です。メデアが「内掛け」を作るアリア「古代の夜」が、ケルビーニにはない良い味を出しています。グラウチェに当たるクレウサには婚約者(アテネ王)がいて、メデアと手を組み、ジャゾーネへの復讐を誓うという四角関係が築かれています。この作品も最後メデアは死なず、竜の曳く車に乗って、天高く飛び去ります。
(4)作曲:アリベルト・ライマン(1936-)
題名:メデア(2010年初演)
ライマンは、ドイツの作曲家としても知られていますが、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(1925-2012)などのピアノ伴奏者としてもよく知られています。このメデアは、2010年にウィーン国立歌劇場で初演された作品です。このDVDは、その時収録されたものです。またこの作品は、その後フランクフルト歌劇場でも上演された他、いち早く2012年に、日生劇場で日本初演されたのは、先日「日生劇場」の紹介のときにお話ししましたね。今までの作品のジャゾーネがテノールだったのに対し、この作品はバリトン。日本でもおなじみの、アドリアン・エレートが歌っています。現代作品の第一人者ミヒャエル・ボーダーの指揮で。
題名:メデア(2010年初演)
ライマンは、ドイツの作曲家としても知られていますが、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(1925-2012)などのピアノ伴奏者としてもよく知られています。このメデアは、2010年にウィーン国立歌劇場で初演された作品です。このDVDは、その時収録されたものです。またこの作品は、その後フランクフルト歌劇場でも上演された他、いち早く2012年に、日生劇場で日本初演されたのは、先日「日生劇場」の紹介のときにお話ししましたね。今までの作品のジャゾーネがテノールだったのに対し、この作品はバリトン。日本でもおなじみの、アドリアン・エレートが歌っています。現代作品の第一人者ミヒャエル・ボーダーの指揮で。
この時、ライマンの講演会があり、先生も参加しました。ナビゲーターの質問等にも明快なドイツ語で答えていて、とても頭の良い方だという印象を受けました。持参した楽譜にしていただいたサインは、先生の宝物です。
次回は「メデア」最終回。いろいろな音源をご紹介いたします。お楽しみに。