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Interview with Laureates vol.1(前半) 動画アップしました!

コンクール

2013.10.10

第6回コンクール(2011年開催)で第2位(最高位)、同時に三浦環特別賞を受賞され、その後海外や国内でも活躍中の吉田珠代さん。2013年9月にオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」に出演された公演直後の楽屋で、コンクール当時のお話を伺いました。

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第6回コンクールを受けたきっかけは?
私は、第5回コンクールも受けましたが、その時は第1次予選で敗退でした。第6回は年齢的にもリミットでしたので、もう一度きちんと準備をして自分がどこまでいけるか試したいと思って受けました。
第6回コンクールの第1次予選では、今日演じられた「コジ・ファン・トゥッテ」のフィオルディリージのアリア「岩のように動かずに」を歌われましたよね。
コンクールの第1次予選で歌った時は、フィオルディリージという役を公演で通して演じたことがなく、コンサートでアリアを歌っているだけでした。今日こうして公演の中であのアリアを歌うと、コンクールの第1次の時は、全然役になりきれていなかったなと思います。あの曲には、色々なテクニック…レガート、アジタート等…審査の対象となるところがたくさんあります。音域が広いので大変でしたが、声の調子がよければ歌えるだろうと思って臨みました。
オペラの1役の中から指定された箇所を歌う難関・第2次予選に臨んで・・・
私が選んだ役「ドンナ・アンナ」は新国立劇場オペラ研修所での研修公演とオーストリアでもドイツ語で公演したことがあるので、音楽的にはある程度体の中に入っていました。
しかし、オペラ公演とは違い、第2次予選では(1役の中から)指定された箇所を20分間続けて歌ったので本当に大変でした。普段ですと、相手役がいて自分が歌う感覚ですが、コンクールでは相手役がいないので、(相手役の)音がない中で聴かなくてはいけないのも大変でした。ただ、当時、私が信頼している方が偶然にも担当のピアニストでしたので、怖いものなしという感じで歌いました。
 
本選の舞台に立って・・・
本選に残れるとは思っていなくて、オーケストラ合わせ等スケジュール的にも難しい状況がありましたが、いろいろな方がせっかく本選まで来たんだからと助けてくださいました。現田マエストロも、「オーケストラの音が歌手へ渡るように…」と言ってくださり、みなさんへの感謝の気持ちだけで歌いました。
また、当日会場には、東日本大震災で被災された方がご招待されていると聞き、自選曲は「アベ・マリア」を歌いました。祈るような気持ちで…。賞を取ろうという気持ちが全くない中で歌うことができたので、心から曲に入り込めたと思います。
 
第2位(最高位)と三浦環特別賞を受賞してまさかと思いましたが、いい意味で気負いがなかったことがよかったのかなと思いました。
約3時間の公演の後にも関わらず、インタビューに対応していただきましてありがとうございました。
インタビュー後半もお楽しみに!

Interview part1