在学生・卒業生の声Voices

迷ったら、挑戦を。
ボランティアでの出会いが
私の世界を変えた。

夏目 花鈴 さん
文化政策学科 3年
夏目さんの写真
夏目 花鈴さんの写真
私は地元である浜松で育ち、将来は公務員として地域に貢献したいという目標を持ってSUACに進学しました。入学当初は、行政や政策に関する授業を熱心に履修していましたが、1年生の頃の自分を振り返ると、どこか狭い世界で満足していたようにも思います。新しい環境に馴染むことに必死で、自分から何かを始める勇気を持てず、興味があるボランティアを見かけても「自分に務まるだろうか」と不安になり、結局は一歩引いてしまうことが何度もあったからです。
そんな私の意識が劇的に変わったのは、2年生になったばかりの頃でした。大学生活も折り返しが近づき、このまま何もしないまま卒業していいのかという焦りと、自分を変えたいという強い衝動が私を突き動かしました。情報を集めるなかで、ある村おこしボランティアのサイトに目が留まり、直感的に「これがやりたかったことだ」と感じました。その勢いのまま愛媛県西条市でのプロジェクトに申し込みましたが、これが私の大学生活における最大の転換点となりました。
夏目 花鈴さんの写真

四国の限界集落での10日間は、想像を絶する経験の連続でした。初対面の大学生4人との共同生活、鶏小屋を一から作る作業、古民家のリフォーム、石積みや草刈りといった、普段の生活では縁のない過酷な肉体労働。スマホを手放して自然のなかで汗を流し、みんなで協力してご飯を作って食べる毎日は、これまでにない充実感に満ちていました。何より私を支えてくれたのは、地域の方々の圧倒的な温かさでした。よそ者である私たちを温かく受け入れ、「いつでも来てね」と声をかけてくださるその言葉に触れるたび、私にとってあの場所は第二の故郷のような存在になっていきました。地域活性化の核にあるのは、こうした人と人の心の繋がりなのだと身をもって知ることができたのです。
この経験を経て、私の中にあった失敗を恐れる心は、やって後悔するほうがいいという前向きなエネルギーへと変わりました。以前なら尻込みしていたような場所にも、今では自分の直感に従って飛び込んでいけるようになりました。周囲からも「たくましくなったね」と言われるようになり、自分でも決断力がついたことを実感しています。

現在の活動は多岐にわたっています。大河ドラマのロケ地としても知られる久留女木の棚田でお米を作る「引佐耕作隊」への参加、観音山少年自然の家でのキャンプスタッフ、そして浜松のまちづくりを考えるプロジェクトへの参画。活動の幅を広げるなかで、私はまちづくりの本質についても考えるようになりました。それは、支援する側の一方的な思いの押し付けであってはならないということです。地域の人々が本当に望んでいることは何なのか。その声に耳を傾け、対話を重ねるプロセスを何より大切にしたい。こうした視点を持てたのは、大学の授業で学んだ「関係人口」という概念や、西条市での実体験があったからこそだと思います。
現在は田中ゼミに所属し、学生主体の共同プロジェクトとして「浜松市関係人口ポータルサイト」の提案に取り組んでいます。地域活動に参加したい人と、人手を必要としている農家や団体を繋ぐパイプ役を、自分たちの手で作り上げようとしています。意見が対立することもありますが、西条市で学んだ「相手の考えに立ってみる」という姿勢を意識しながら、チーム一丸となって形にする喜びを味わっています。

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将来は公務員として、特に子どもたちを対象とした街づくりに携わりたいと考えています。次の世代を担う子どもたちが、自分の住む地域に愛着を持ち、街との接点を持てるような環境を整えていきたい。そのために、私自身も挑戦することを止めず、常に「わくわく」を追い求めていくつもりです。今月、私は再び愛媛県西条市に向かいます。訪れるのは4回目になりますが、私にとって大切な原点であり、人生を変えてくれた場所に帰るような気持ちです。
高校生の皆さん、もし今、やりたいことが見つからなかったり、将来のビジョンが描けなかったりしても、焦る必要はありません。SUACは、あなたの小さな好奇心を全力で後押ししてくれる場所です。4年間のどこかで、必ず心が動く瞬間がやってきます。その時、迷わず一歩を踏み出して、何かひとつでも自分のわくわくすることを追求してみてください。自分を信じて挑戦した経験は、必ずあなたの一生を支える確かな力に変わります。
内容は取材時(2025年12月)のものです。