教育・研究

2023年08月08日

「地域医療・福祉とテクノロジー」をテーマにしたゲスト講義が行われました

文化政策学科専門科目「地域福祉論」での外部講師による第2回特別講義は、「地域医療・福祉とテクノロジー」をテーマに行われました。

講義をする小笠原敦さん
講師の小笠原敦さん(滋賀医科大学特任教授、ふくろい産業イノベーションセンター長)は、元々、医療や科学技術の研究者で、半導体、ゲーム機器、スーパーコンピューターの開発などを行ったほか、国内外の企業と連携した研究開発や文部科学省での科学技術予測、「第5期科学技術基本計画」策定にも携わりました。
現在は、静岡の地にも縁があり、静岡県の西部地区を中心に地域医療・福祉に関わるイノベーション創出につながる活動をされています。
講義は90分間をフルに用いたボリュームのある内容で、本学の授業では触れられることの少ないサイエンス&テクノロジーの世界をご紹介頂き、学生は刺激を受け、大いに視野を広げていました。
スクリーンに投影された講義資料
講義を受講する学生たちの様子
講義室の様子

まず、日本の医療政策のマクロ的課題として、就労年齢帯で精神疾患と糖尿病が多いことが指摘されました。労働力を維持するため、また国全体の医療費コストを抑えるためにも、治療技術の進展とともに予防防医療を推進し、健康寿命を延ばすことの重要性が説明されました。

また、医療におけるテクノロジーの活用例では、自動車の運転時の心拍測定や、Googleによる論文検索とAIでの薬品開発、地域医療・福祉との関連では、病院でのTQM(Total Quality management)による職場改善の事例や、静岡県での給食データと学校検診データを接続したDXの取り組み、聖隷袋井市民病院とのワークショップの開催によるビジネスシーズの発見など、様々にご紹介頂きました。

受講学生の感想

  • 社会調査のスキルが医療業界に限らず、様々な製品開発や課題解決に活かされることもよく分かった。リサーチ&プランニングの方法によって課題解決されている様子を見て、社会調査についての勉強もこれまで以上の熱意をもって取り組みたいと感じた。
  • 今回の講義で、医療福祉やイノベーションが身近に感じられた。地域医療や福祉の課題をテクノロジーの観点からしっかりと考えたり、学んだりした事が無かったのでとても興味深かった。非常にわかりやすく面白いお話で90分があっという間だった。
  • 若い世代の私たちだからこそできる、身近なアプリ開発などの取り組みもあることを知った。小さい所からでも現状の改善、未来への対策をしていく努力をしたい。

発行部署:企画室