教育・研究

2024年02月26日

「ふじのくに地域・大学フォーラム」にて、本学の4つのゼミが研究成果を発表しました

公益社団法人ふじのくに地域・大学コンソーシアムが主催する「第9回ふじのくに地域・大学フォーラム」が本学にて開催されました。
同フォーラムは、「ゼミ学生等地域貢献推進事業」の研究成果や「共同研究助成事業」の中間報告などの合同発表を行う場であり、本学からは「ゼミ学生等地域貢献推進事業」に採択された4つのゼミが研究成果を発表しました。

フォーラムの様子

舩戸修一教授ゼミ(文化政策学科)

舩戸ゼミの発表の様子の画像
課題「浜松市北区(現:浜名区)引佐町久留女木地区における地域資源を活かした集落づくりについての研究」
久留女木地区の住民に対して行った調査結果をもとに、地域づくりの方策を検討した成果を発表しました。久留女木地区は、高齢化率の上昇や若年層の減少により地域の担い手不足が考えられています。しかし、他出子(集落から転出した子ども)の7割が久留女木地区から車で2時間以内の場所に住み、定期的に通って家族のサポートをしていることがわかりました。そこで、他出子の帰省時に家族以外の地域住民と接する機会や自治会などの共同作業に関わる機会を設けるなど、他出子を担い手とした地域づくりを提案しました。

二本松康宏教授ゼミ(国際文化学科)

二本松ゼミの発表の様子の画像
課題「春野町における民間口承文化財(昔話)の調査・記録・公開による地域文化の保存と継承」
浜松市の北遠地域にある春野町で行った昔話の採録調査の成果を発表しました。2014年度から水窪町、龍山町、春野町で調査を進めており、2023年度で10年目になります。採録調査では話を聴くための技術が必要であるため、現地での研修や教員、上級生、外部講師からのレクチャーを受けて行っています。また、昔話は家庭内で語り継がれてきたため、他人の前で話すのは「恥ずかしい」とされることが多く、信頼関係の構築も非常に重要であると説明しました。採録した昔話は「方言のまま、語り口のまま」に翻字し、書籍として刊行します。

藤井康幸教授ゼミ(文化政策学科)

藤井ゼミの発表の様子の画像
課題「廃校を活用した敷地地区の地域再生デザイン構想の具現化」
磐田市にある敷地地区の地域再生事業実現に向けた取り組みを発表しました。今年度は廃校の活用にとどまらず、地区全体をフィールドとした地域再生デザインを検討しました。現地ワークショップで行政や地域の方々と意見交換をしたり、事業を運営する組織形態を探るために静岡県東部で事例調査を行ったりしました。また、昨年度提案した「干し柿ロード」の試作と学内アンケートを実施し、事業の実現可能性と地区のPR効果を検証しました。複数の地域資源を結び付け、多くの人を巻き込んで事業に取り組んでいくことが期待されます。
 

西田かほる教授、水谷悟教授ゼミ(国際文化学科)

西田・水谷ゼミの発表の様子の画像
課題「古文書整理 地域資源としての古文書を考える」
川根本町千頭の殿岡家が所蔵する古文書整理の成果を発表しました。2019年から調査を行い、これまで4,905点の古文書を目録化しています。今年度は書簡や教科書、雑誌などの個人的な史料や郵便局の開設に関わる史料など、1,815点の文書を整理し目録を作成しました。さらに、調査報告会に参加し、現地の方々と調査内容を共有したり、史料に記された場所を訪れたりしました。地域の方々と交流する機会となり、地域の歴史や文化への理解を深めることができました。コメンテーターの東海大学川﨑教授からは「郵便局設置の文書は様々な地域にあるが、当時を知るうえで良い資料である」と講評をいただきました。
発表の内容は、ふじのくに地域・大学コンソーシアム公式YouTubeチャンネルでご覧いただけます。

開催概要

ふじのくに地域・大学コンソーシアムのチラシの画像
【日時】2024年2月10日(土曜日)午後1時から午後4時15分
【会場】静岡文化芸術大学
【参加費】無料
【主催】公益社団法人ふじのくに地域・大学コンソーシアム
 

発行部署:地域連携室