教育・研究

2024年07月03日

「金融教育」をテーマにした特別講義が行われました

文化政策学科専門科目「広報・広告論」 (担当:加藤裕治教授)にて、 「金融教育」を通した商品・サービスの広報に関する特別講義が行われました。

今回の特別講義を企画した株式会社静鉄アド・パートナーズ(静岡市)は、静岡鉄道株式会社のグループ会社として様々な広告制作をおこなっています。その中で静岡県信用農業協同組合連合会(静岡県信連、JAバンク静岡)のローンキャンペーン、年金キャンペーン、ブランディングのポスターやCM制作などを担当してきました。
今回、JAバンク静岡がCSR活動の一環でおこなう「金融教育」について、高校生や高校教員を対象に授業を行う長原正樹さん(農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)マーケティング&ブランドデザイン部)が、「投資で変える私の未来」をテーマにしてお話いただきました。
「広報・広告論」金融教育をテーマにした講義の様子

2022年4月から高校・家庭科の授業で必修化された「金融教育」。しかし、実際に授業をおこなう現場の教員から「授業の方法が分からない」「自分も投資したことがなくて、何をしていいのか不安」などの声を受け、NVICでは金融教育授業の教材を開発し、全国の高校を対象に無償提供を始めました。一般的なイメージである「金融投資」とともに、若者にとってより重要な「自己投資」も含めた内容で、高校生自身が自分らしい生活をできるよう、生活設計に伴う家計や投資への意識を高め、自分にできることを主体的に考えて行動できるようになることを目指しています。

NVICは個人向けの投資信託商品の助言・運用を始め、投資運用業を行う会社ですが、「金融商品のブランディングは難しい」という長原さん。金融商品は押し付けたり、購入を促したりする広告はNGで、顧客が自ら選び取ることが原則です。そのため、いかに一般消費者が商品に興味を持ってもらうかが重要となります。日本人は投資に対して警戒心が強かったり、金融に関する話題が日常的にされていなかったりすることがあり、まずは投資の考え方を広めていくことが広報において大切なポイントです。
 
長原正樹さん(農林中金バリューインベストメンツ)
高校生の8割が投資の知識がないという調査結果もあるなかで、SNSの普及により、10代から20代の若者が犯罪に巻き込まれることも増えています。「簡単にお金がもらえる」ことは決してなく、若い時から正しい金融の知識を得ることが大事です。
「人生100年時代」と言われる現代、能力・時間・お金という3つの自己資産を人生を通して上手く運用し、さらに他者投資で預貯金以外の収入を増やしていく必要があります。学生が最も多く持っている資産は「時間」。「時間」を「能力」に変え、「能力」を「お金」にしていく自己投資が、学生時代には大切であり、それも投資の一つであると締めくくりました。

正しい「投資のポイント」

他者投資3つの観点

1.付加価値(どういう価値を提供しているか)
2.競争優位(特徴や強み)
3.長期潮流(企業が進む未来はどうなっていくか)

自己投資の3つの観点
1.何をして感謝される人になりたいか
2.好きなこと・得意なことは何か
3.やりたいことは将来どうなっているか

発行部署:企画室